黙然日記(廃墟)

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産経「主張」、結果だけを見る。他。

オランダ戦惜敗 1次突破へ敢闘精神貫け - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/405791/

 19日の試合結果で20日付「主張」に間に合うというのはちょっと意外でしたが、半分がた予定稿でしょう。オランダ戦の勝ち負けと関係なく国威発揚的な内容が大半で、あいかわらず「(グループリーグを)勝てそうだから応援する」という姿勢があからさまです。もちろん、内容面では悪い試合ではありませんでしたが、「結果は結果」という受け止め方はできないものでしょうか。
 岡田武史監督の采配は、大会本番でここまでの2試合では狙い通りに決まっているわけですが、直前の強化試合で連敗したことも、ある意味で狙い通りだったとわたしは思っています。こう言うといかにもいまさらっぽく聞こえるかもしれませんが、強化試合は負けてもどうってことはないので(スポンサーのキリンビール様には申し訳ないかもしれません)、いろいろ試してその内容を判断するために行うものです。たとえば、MF登録の選手をワントップに、FW登録の選手を両ウイングに使う妙ちきりんな、しかし有効な攻撃スタイルもその中から出てきたもので、本番の今現在で結果さえ出しているならそれでいいわけです。
 それにしてもこの「主張」は、国民の意思が一つになる的な例として東京五輪女子バレーを持ち出すあたりもわけがわかりません。ドーハやジョホールバルのとき、この筆者はどうしていたんですかね。あのときでさえ興味を示さない人はいましたが(もちろんそれはそれでOKです)。まあ、ここまで国威発揚に手のひらを返しておいて、もし次で惨敗してグループリーグ敗退なんてことになった場合、産経はどんな主張を展開するのか楽しみです。いや、もちろん次は勝ちますけどね。

同級生刺傷 やはり思いやりと我慢を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/405793/

 こういう内容の「主張」ではだいたい内容も予想できてしまうのですが、やはり、幼いころからの厳しいしつけとか言い出しています。「しつけ」の方向性を間違えれば反抗心を無意識の中に押し隠し青年期以後に爆発させてしまうリスクが増えるのですが、そういうまともな教育論は、産経論説室にあるでしょうか*1。次を見てみましょう。

産経抄】6月20日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/405792/
厳しい責任追及でこうした訓練が過度に自粛されるのも、いかがなものかとは思う。

 板1枚で生死が分かれるボートやヨットの訓練で、生徒の命を預かる指導者に厳しく責任が問われるのは当然です。それは事故が起きたときだけではなく、普段から生命尊重を優先した指導をしているか、といった点でも問われます。プロの船乗りならともかく、中学生の指導なら、「少し荒れたから今日の練習は中止」といった判断があるべきです。ただそれは、「責任を問われるから」ではなく、「生徒の生命をなにより尊重するから」でなくてはなりません。引用部に続けて抄子は、指導者がボートに同乗していれば、と追求していますが、ヨットに乗った責任者が生徒を海に突き落とすようなヨットスクールが実在し、それを肯定しまくっている産経が、それを言いますか。

*1:産経の論説欄はともかく、生活面・教育面では、トンデモ記事も目立ちますがそれなりにまともに教育問題に取り組んだ記事もないわけではありません。ただ、それが主流になれないのが産経です。