黙然日記(廃墟)

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産経抄と「主張」の、古さと固さ。

国民投票法施行 憲法審査会で国を論じよ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/392308/

 18日ってなんかあったよなー、雑誌の発売日じゃないし、なんだろう。とか思ってたんですが、そういえばこれでした。この日をあれだけ待ち望んでいた産経がどういう反応を示すか、というのが楽しみだったわけですが、いざ当日になってみると、ああ、あの安倍晋三氏が権力の絶頂にいたのってもう3年も前なんだなあ、とか思うだけです。
 国民投票を実現するために、たとえば民法の改正が必要なのに民主党はそれを通していない、とか産経は憤っていますが、民主党民法改正案を提示するたびに頭から湯気を立てて猛反対し潰そうとして回っていたのは、どこの新聞だったでしょう。ほんと、都合のいいところしか持ち出さないというのがよくわかります。
 国民投票法施行および関連法の整備は憲法改正への道筋を開くものですが、それがイコール九条改正だなんて、誰が決めたんでしょうか。安倍さんですか。外国の脅威と憲法改正を結びつければ事足れりとする頭の古さというか頭の固さというか、まとめていえば頭の悪さは、いいかげんどうにかならないものでしょうか。
 この「主張」激しく非難する、現政権与党である民主党がこの法律に基づいた憲法改正への動きに消極的な理由の一因は、そもそもこの法律の成立時の経緯にあります。2007年2月、自民党の船田元憲法調査特別委員会理事と民主党枝野幸男憲法調査会長らの交渉により、与野党合意に達する一歩手前まで来ていたのに、安倍総裁の自民党が5月3日成立にこだわって話を台無しにてしまったことから、合意案の不成立や与党の強行採決といった事態になり、現在まで齟齬が残っているわけです。改憲のための法律をわざわざ5月3日、日本国憲法施行記念日に成立させるというのは、象徴的な意味しかない上に、その意味は護憲派の感情を踏みにじるためだとしか考えられません。国家のあり方を規定する憲法の改正にあたっては、より多くの主権者国民に理解と賛同を求めるべきだということは指摘するまでもありません。「主張」の言う「なぜ憲法改正が必要かの本質論」とは、九条改正などという些末事ではなく、前述のような憲法改正にあたっての根本的な考え方であるべきです。その根本を無視し、郵政選挙で得た多数の議席を自らへの白紙委任だと勘違いした自民党と安倍政権に、この混乱の責を問うべきところでしょう。

産経抄】5月18日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/392307/

【政論】憲政史に泥を塗る国民投票法の「不完全施行」  (1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100518/plc1005181955018-n1.htm

 題材は「主張」と同じなので、ついでに取り上げておきます。内容に関する感想は、上記ですべて言い尽くしました。【政論】は榊原智記者ですが、「泥を塗」ったのは、いったい誰でしょうね。あいかわらず笑いのタネばかり提供してくれる人です。