黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「主張」、逆上する。他。

外国人参政権反対デモに催涙スプレー 高校生逮捕 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/349801/

 昨夜更新した直後に見つけた記事。すでに「dj19の日記 - おやすみ前にメモ」で取り上げられているので、こちらもご参照ください。強調しておきますが、これはデモに対する妨害行為ではなく、デモ解散後に在特会に絡まれた高校生が護身用スプレーを使ったという事件です。産経は、こういうのはいちはやく記事にして、在特会秋葉原デモなどでふるった暴行はまったく報道しないんですね。産経の記事内容は時事通信の配信記事のようですが、まるで言論に対する暴力事件かのような見出しになっています。

傷害:催涙スプレーを3人の顔に噴射 高3を逮捕−−東京・新宿 - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100125ddm041010075000c.html

 ついでに毎日の報道。こちらの方が中立的な見出し・記事内容ですが、そのかわりに背景がよくわからなくなっていますね。

民主調査チーム 疑惑解明を妨害する気か - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/348062/

 さて、産経オピニオン欄の後追いを続けます。これは20日付「主張」。民主党が、小沢氏疑惑の解明ではなく検察とマスコミの馴れ合いに関する調査チームを発足させたことに、逆上しています。「言論・報道の自由を侵害」「民主主義の根幹を揺るがしかねず、とうてい容認できない」など、これ以上ないほど強い調子で反発しているのですが、検察とマスコミの馴れ合いに関しては、まったく反論していません。ていうか、できないんでしょうね。そのかわりに、世論調査では圧倒的に支持されているとか、まったく関係ない話にすり替えて反論したように見せかけています。これは西松事件に関してですが、疑惑や逮捕がイコール有罪という論調の報道が厳しく批判されたことにも、まるっきり耳をふさいでいます。昨年5月以前の事件だったとはいえ、また対象案件ではないとはいえ、裁判員制度に対応して定められたガイドラインも、その精神として、守られた気配はありません。

産経新聞社 > 会社・IR情報(事件・裁判報道ガイドライン
http://sankei.jp/company/co_affair.html
 一方で、協会指針は「被疑者を犯人と決めつけるような報道は、将来の裁判員である国民に過度の予断を与える恐れがあるとの指摘もある」と注意を促している。産経新聞社では平成13年6月に定めた「記者指針」において、「過去においてメディアが無実の人を犯罪者のように扱った苦い経験を教訓として、裁判で有罪が確定するまでは慎重な上にも慎重な立場を堅持しなければならない」としている。
〔中略〕
 協会指針では、捜査段階の供述報道について「供述とは、多くの場合、その一部が捜査当局や弁護士等を通じて間接的に伝えられるものであり、情報提供者の立場によって力点の置き方やニュアンスが異なること、時を追って変遷する例があることなどを念頭に、内容のすべてがそのまま真実であるとの印象を読者・視聴者に与えることのないよう記事の書き方等に十分配慮する」としている。

産経新聞社 > 会社・IR情報(新聞倫理綱領・記者指針)
http://sankei.jp/company/co_writer.html
 3.過去においてメディアが無実の人を犯罪者のように扱った苦い経験を教訓として、裁判で有罪が確定されるまでは慎重な上にも慎重な立場を堅持しなければならない。
 4.特定個人についての批判記事を書くにあたっては、誹謗中傷を避けることはいうまでもなく、あくまで事実に即し、感情に流されないよう抑制的な内容にとどめる配慮が必要である。

 まあ、日本新聞協会の「指針」*1がすでに、捜査段階での供述内容のリークを思いっきり前提にしているぐらいなので、マスコミの体質改善は難しいでしょうが。

可視化法案 許されない検察への圧力 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/348844/

 22日付「主張」では、こんなところにも噛みついています。「民主党がこの時期に突如として今国会提出を持ち出した」って、もう何年にもわたって国内外から求められていた問題で、昨年の足利事件冤罪判明で世論も高まり、民主党が総選挙のマニフェストに掲げていた方針です。通常国会開会のこの時期になることは不思議ではないし、むしろ遅すぎるという批判をするべきところです。制度化が一日遅れればそれだけ、冤罪を被る人が増える可能性があるのです。鳩山首相は提出に慎重な姿勢を示していますが(なんでだ! こら!)、この法案が小沢氏を援護するための検察への圧力だとするこの「主張」と、以前からの首相は小沢氏をかばっているという主張は、矛盾しないでしょうか。

政教分離判決 「違憲」の独り歩き危ぶむ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/348420/

 前後しますが21日付「主張」。これも興奮してますねえ。政教分離原則に関する判例として、Wikipedia:津地鎮祭訴訟の合憲判決は引用していますが、Wikipedia:愛媛県靖国神社玉串訴訟違憲判決は出てきません。笑いどころは、判決に述べられた唯一の反対意見を強調して引用しているあたりです。反対意見は傍論より弱いんですがねえ。
 あー、なんかこのペースだとぜんぜん追いつきゃしないな。なんとか考えないと。しかしどれも見逃すには惜しくて……。