黙然日記(廃墟)

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産経対馬キャンペーン、掘り起こす。

国境の島“眠れる法律”で守れ 大正14年制定 外国人土地法に脚光 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/326958/

 タグは付いていませんが、「対馬が危ない!」シリーズに含まれるでしょう。古くさいというか、戦後のどさくさで廃止するのを忘れていたような法律を持ち出して、これを適用すれば対馬問題は解決できる! と鼻息を荒くしています。新たに政令を作るという作業をしなければならないので、これを具体的に適用するためには新たに法律を作るのと同じぐらいの手間がかかるのですが。
 なお、Wikipediaの「外国人土地法」はWikipedia:カリフォルニア州外国人土地法に転送され、「排日土地法」の別称があると説明されています。1913年のこの法律は日系移民排斥を目的としており、1924年の排日移民法の前哨ともいうべき存在です。1925年(大正14年)の日本の外国人土地法は、その対抗措置であるとも考えられます。当然のことながら、当時の朝鮮半島在住者および出身者は大日本帝国臣民であり、この法律が想定しまた規定される外国人ではありませんでした。1925年といえば普通選挙法および治安維持法が公布された年として記憶に残りますが(受験勉強おそるべし)、同時にこういう時代でもあった気ですね。
 さて、対馬問題に外国人土地法の適用を求める動きに対して、政府はどう対応するでしょうか。

韓国資本の対馬不動産購入 外国人土地法検討せず 政府答弁書 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/326893/

 あっさり否定されています。韓国資本の対馬土地取得も、合法でありなんの支障も起きていない、としています。これ、20日閣議で決まった答弁書なんですが、21日朝刊で外国人土地法を持ち出す産経のセンスがわかりません。それにしてもこれはつまり、20日までに山谷えり子参院議員が質問趣意書を提出し、それに合わせて21日に産経が上の記事を出しているわけで、ここまで特定の政治家と癒着している新聞ってしんぶん赤旗や政党機関紙ぐらいしか思いつきませんが。