黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経と自民党の断末魔。

 選挙期間中に2ちゃんねるに乱立していた関連スレで、自民工作員とおぼしき人たちに「民主のネガキャンはもういいから、自公政権のいいところ、よかったところを教えてくれよ」と何度もお願いしたのですが、一度も答えてもらえませんでした。自民党自身も、政策を訴えるパンフレットより、対立党を否定するビラばかり配っていたようですし*1、どうしたものでしょうか。そんな中で、産経新聞は死に物狂いで民主党批判と自民党プッシュを続けています。ここまでくればある意味で、はっきりした判断材料が揃ったとも言えますが。

明日8月30日は「産経涙目」の日に - vanacoralの日記
http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20090829

 この選挙期間中はなにかとサボりがちだったので、直前になったら産経「主張」の一覧でも作ろうかと思っていたのですが、やはりvanacoralさんに先を越されてしまいました(笑)。力作なのでご覧あれ。

【主張】あす投票 繁栄と安全、判断の軸に 地殻変動見据え熟慮の一票を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/295180/
問題の本質は日本をどうするかだ。それは国の繁栄を継続し、国民の安全を守ることにつきよう。

 まあそんなわけで今日の分、選挙戦最終日の「主張」など。産経にとって、守られるべきは「国の繁栄」と「国民の安全」だけであって、「国民の繁栄」「国民の生活」はどうでもいいそうです。揚げ足取りではなく、これが産経の一貫した姿勢であったこと――1950年の一般全国紙としての創刊以来の――は、いまさら指摘するまでもないと思います。
 その「安全」にしても、たとえば犯罪防止策をどうするとかいう話はまるで出ておらず(出てきたとしても厳罰化一本槍なのは目に見えていますが)、言いたいことが「国の安全」でしかないことは明らかです。外からの脅威を強調し、そこだけを争点と考えれば、政権交代のムードなどに乗せられることはないはずだ、ということらしいです。民主党は日米同盟を弱体化させ米国と中国の関係緊密化を狙っているのだ、とか。米中が緊密になり、日米同盟も「緊密で対等」を目指すなら、あとは日中が緊密になれば(その状況なら当然なるでしょう)東アジアの安全保障にとってこれほど良いことはないと思うのですが、なにか間違っているでしょうか。
 「国の繁栄」にしても、国民労働者の生活があってこその繁栄で、大企業と金持ちが繁栄を謳歌するだけの“史上最長の好景気”の下で、大半の国民が低賃金と不安定雇用と将来不安にあえいでいる、この「奪われた十年」の状況はもう絶対に嫌だ!という、「ムード」ではない「確固たる意志」が、現在の有権者に共通しているのです。そのことを、どうやったら産経に理解させられるのでしょうか。言葉が通じる人間に対しての体罰や暴力は無益であり有害でしかないのですが、言葉が通じない場合には、痛い目に遭わないと理解できないんでしょうかね。癒着先の政党が下野するとかの痛い目に。

[politics]過去の記憶と、未来の記憶。

 このブログで本格的にメディアと政治関連の話題を取り扱うようになったのは、2006年の夏、ちょうど今ごろの季節、安倍内閣が発足する少し前のことでした。そのころには、わずか3年後にここまで来るとは、おそらく思っていなかったと記憶しています。しかし、与党の下野によって国が滅びるなどと言うことはなく、政権交代は確実に国を良くするためのものだという認識は変わりませんし、その当たり前の認識が定着してほしいと望みます。
 現在ここに至った理由としては、上でも揶揄しましたが、「自民党の自壊」の一言に尽きるでしょう。繰り言めきますが、1993年のあの興奮と、翌年の失望、15年間の苛立ちを経て、「政権交代」と「政権の自壊」が表裏一体であること、少なくとも過去2回、今度で3回目の政権交代がいずれも、政権側の自壊によってもたらされたことは、胸に刻んでおくべきことだと思います。新政権が永遠であるべきとか、少なくとも半世紀続くべきとは思いませんが、次の政権交代は自壊ではなく、野党の実力が文句なしに与党を上回ることで実現してほしいと、心からそう願います。

*1:残念ながら、わたしのところにはそういうものは来ませんでしたが。地元では早くから結果が見えていたこともあり、自民候補は一般層への浸透を諦めて組織固めに注力していたようです。