黙然日記(廃墟)

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産経、なにかを望む。他。

産経と裁判員制度

 月日の経つのは早いもので、2009年5月21日があっという間にやってきます。産経が水増し動員までして推進してきた裁判員制度が、いよいよ明日から始まります。オピニオン欄もフル稼働です。

【主張】裁判員制度 「公の精神」取り戻そう 円滑な運用と検証の徹底を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/255836/
わが国司法制度の大転換だ。何よりも円滑な運用が求められる。国民の協力がなければ立ちゆかない。〔中略〕ともすれば「自己本位」と批判される日本人が「公の精神」を取り戻す好機にしたい。

 産経「主張」「産経抄」「正論」あたりを読む専用ブラウザがあったとして、《公の精神》をNGワードに指定したら、見出し一覧はずいぶんスカスカになるでしょうね。指定しなくても中身がスカスカなら同じですが。指名されたら裁判員として協力する、ぐらいのことに《公の精神》を持ち出すのもずいぶん大げさな話だし、文脈からは《主権者として三権への参加意識》などとしてもよかったはずで、ここはなにか別のことを言いたかったんじゃないかと推測しますが、推測だけにしておきます。まさか、「厳罰を心がけ、なにがなんでも死刑判決を出すことが《公の精神》だ」なんて破綻した論理を持ち出す全国紙があるわけがないし。
 この「主張」に「韓国も日本より半年早く「国民参与裁判制度」を取り入れた」という記述があったのでぐぐってみました。

韓国「国民参与裁判制度」の 調査報告 (PDFファイル)
http://www.toben.or.jp/news/libra/pdf/2009_03/p34-35.pdf
わが国に先行して2008 年1月1日から実施されている。

 月日の経つのは早いものだと思っていましたが、2008年1月から、まだ半年しか経ってなかったのか。まあ、産経がこの1年をなかったことにしたい気持ちはよくわかります。

産経抄】5月20日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/255820/

 こちらに関しては、2ちゃんねる産経抄スレにある書き込みを転載しておきます。わたしから見て100%同意できる意見です。なぜか。(笑)

で、しばらく前からうすうす思ってたんだが、裁判員裁判
最初の(あるいは何回か以内の)判決で死刑判決が出なかったら、
産経はいきなり反対に転じそうな気がするよ。
基本的に、人が死ぬことをなんとも思っていないからな。

 裁判員制度のもっとも重要な点は、主権者国民が司法に参加するための制度であることです。日本国にも本来は陪審員制度があって現在も陪審法そのものは有効(ただし戦時中に施行された停止法も有効で停止されたまま)なのですが、なぜ有罪・無罪のみを評決する陪審制ではなく、量刑判断までする裁判員制度になったのか、よくわかりません。*1
 従来の司法制度や判決は国民の感覚とズレがある、という理由なら、刑事訴訟よりも行政訴訟違憲審判に裁判員制度を取り入れてもらいたいものですが。

その他。

幸福の科学衆院選で候補擁立目指す - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/256177/

 いつかは、と思われていましたが、いよいよですか。最近、森田健作千葉県知事や維新政党・新風との関連で名前が挙がることが多かったわけですが、新風と選挙協力したりするんでしょうかね。

*1:Wikipedia:陪審法参照。なお、上述の韓国の国民参与裁判制度は陪審制に近いもののようです。