黙然日記(廃墟)

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産経抄、連日の赤点。

産経抄】3月16日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/231947/

 一つひどいのが出てくると、数日続くような気がします。コラムの冒頭では、映画『カルメン故郷に帰る』を引き合いに、恥について語りはじめます。なんの話だろう、産経が絡んだ恥辱の殿堂級の話題はいくつもあるからなあ、と一瞬悩んだのですが、最新の殿堂入りネタ、養護学校性教育にクレームをつけた件についてでした。もちろん、自らの恥として振り返るわけもなく、「性=恥ずかしい」という古くさい観念をもとに、“過激な性教育”をあらためて非難する内容です。クレームの主役になった都議らに、教育への不当な介入であるとして賠償を命じた裁判所にも、「問題の本質から目をそらした判決だ」と、わけのわからない文句をつけています。なぜ自社が訴えられたのかを、そもそも理解していないようです。こういう相手と裁判を続けた原告側と裁判所の苦労に、心から敬意を表します。障碍児への性教育の必要性・重要性・特殊性も、そのメソッドが確立されていないことも、手探りの教育なら一時的な失敗もあり得るだろうことも、この産経抄はなんにも理解していないのですが、それ以上に重要なのは、政治家が(旧)教育基本法の精神を踏みにじったことをなんとも思っていないらしい点と、それをとがめるのこそがジャーナリズムの役割であることをまったく意識していない点です。
 さらに言うに事欠いて、従軍慰安婦問題を扱ったNHK番組に政治家(安倍晋三氏と中川昭一氏)が圧力をかけたとされる問題についても、同レベルで理解できていない点です。番組で取り上げた内容が批判されるべきものだから、政治的圧力の有無は「そんなの関係ねぇ」(byタモちゃん)ということらしいのですが、この産経新聞とかいう存在は、本当にジャーナリズムを掲げるマスメディアなのでしょうか。
 最後に「やれやれ」とまとめていますが、思いっきりこっちのセリフですよ。*1

*1:ジャーナリズムや政治のあり方について産経が根元的に理解していない、あるいは一般の理解と食い違っているらしいことを考えると、お互いに「やれやれ」としか言えないかもしれません。あまりに悲しいことですが。