黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「正論」の整形後、他。

 5日分ということで。

【正論】帝塚山大学名誉教授・伊原吉之助 日本生存のための自助努力 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/228334/

 結論から紹介すると、シナ(原文ママ)は日本を殲滅しようとしているから日本は核武装せよ、だそうです。……。長文は書くけど3行以上は読めないネトウヨの文章を「正論」サイズに整形すると、だいたいこんな感じになるかと思います。

「民主主義の危機」ではない 小沢氏秘書逮捕に思う 論説委員・皿木喜久 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090305/plc0903050250001-n1.htm

 あれ? 皿木氏は論説委員長だったはずですが、いつのまに「長」が外れたのでしょうか。単なる脱字かな(まさかと思いますが、産経ならやりかねないので)。
 ロッキード事件の思い出もいいし小沢一郎氏が田中角栄の政治的直系であることも事実ですが、結論部分の理屈がよくわかりません。これが国策捜査ではない理由を、小沢氏が権力者だから、という点に求めているのです。国策捜査とは、現政権と対立する権力者に対して行われるものです。純粋に、権力者の犯罪(と疑われる行為)に対して検察のチェックが及ぶのなら、それは確かに民主主義が機能していることになります(皿木氏に「三権分立」の意味が本当にわかっているのか不安ですが)。しかし、検察の捜査が入ったことだけを根拠に、それが国策捜査ではないとする理由にはなりません。
 皿木氏の論法には、

  1. 「検察は国策捜査で動く可能性がある」という前提を無視している
  2. 関連して、「民主主義が機能していなければ検察が権力者を捜査することができない」という前提を置きながら、「国策捜査は民主主義の危機だ」という小沢氏側の指摘を無視している
  3. 小沢氏が権力者とはいえ現政権の権力には及ばない対抗勢力(国策捜査の対象)であることを無視している

 ……という、3種類の詭弁を指摘することができます。こういう人だから産経の論説委員が務まるんだなというか、こういう人が仮にも全国紙の論説委員を務めているのかというか、……ああ、それで「長」が外れたのかな。

民主党解剖】第1部 政権のかたち(3)「小沢ありき」強硬突破 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/228278

 産経新聞の大型連載「民主党解剖」も、昨日は休んで再開後は急激にこの問題にシフトを始めました。党内の動きをまとめてくれてそれなりに読み応えはあるのですが、こうした取材結果はまた別にまとめ、連載は本来予定していた内容で淡々と続けた方が、いろいろ効果的だったんじゃないのかな。よけいなお世話ですか、そうですか。

記事は「正当な取材の結果」と産経新聞が回答(2009/03/05) - 救う会北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会
http://www.sukuukai.jp/mailnews.php?itemid=1810

 小沢氏関連ですがちょっと別の話題。3月2日の産経新聞が、北朝鮮拉致問題に関する“小沢氏の発言”を大々的に報じ*1、3月3日の救う会ニュースで、民主党産経新聞に抗議したことが伝えられていましたが(上の記事からリンクがあります)、産経側は「正当な取材」と自信満々の回答をしたそうです。ソースを明かせないのは新聞として基本ですし、あとは論評する内容でもないのでメモ的に残しておくにとどめますが、しかし、まさか救う会のサイトをソースにすることがあるとは思っていませんでした(笑)。