産経抄の驚異的文章力、古森氏占う、他。
11日分と12日分を合わせて。
【産経抄】12月12日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/203882/
皆様ご存知のように*1、産経新聞の1面を飾る看板コラム「産経抄」は、毎回約680字という長さです。その680字の中に、今回どれだけの話題が詰め込まれているか、適当にピックアップしてみます(ピックアップの方針はいささか恣意的ですが)。
英語嫌い、反骨精神、「センセイ」、現場の記者のおかげ、村山談話、田母神俊雄氏、民主党の要請、思想・信条の自由を侵害、自衛隊を貶める、ヘンリー王子、ウィリアムズ王子、アフガニスタン、軍と一体になる、政治の罪、命を懸けるに値するのか、文民統制の崩壊、野口裕之記者、命令に背いて出撃しない。*2
さて、これだけの言葉を(表現はそのままでない場合がありますが)、この順番どおりに使って、産経新聞の方針に沿う内容で約680字のコラムをまとめてみてください。不可能です。ていうか、元のコラムも全然まとまっていません(笑)。
いやあ、やっぱり産経抄ファンはやめられませんわ。
産経新聞が紙面充実 九州で現地印刷、山口に配達拡大 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/media/203710
まあウォッチってことで。先日のデータでも明らかなように*3、産経新聞は山口と沖縄で宅配がなく、九州各県で軒並み3桁部数という状態なわけですが、毎日新聞社と提携して今後は九州地区(山口県含む)にも力を入れていくそうです。しかしこれって、紙面充実とは別に関係ないんじゃないですかねえ。肝腎の宅配網も、従来は九州地区で圧倒的に強い西日本新聞に委託していたものを毎日新聞の宅配網に切り替えるそうで、単なる弱者連合じゃないかと。
産経大好き、毎日が(今は朝日よりも)大嫌いだろうと思われるiza!ブロガーの皆さんは……「ありえない!」とか叫んでる人もいますが、喜んでる人の方が多いっぽいですね、提携先のことは都合良くスルーして(笑)。
【チーム・オバマを占う】(1)「変革」から「継続」「ワシントン」依存か (1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/america/081211/amr0812110837001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/america/081211/amr0812110837001-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/america/081211/amr0812110837001-n3.htm
オカルト大好き産経新聞は新政権の行方を占いに頼ることにしたのかと思ったのですが、まあいちおうそれっぽい分析記事でした。第1回からいきなり、産経新聞で誰よりもワシントンに詳しい古森義久氏が登場しています。先に結論を紹介すると、古森氏にもわからないのだそうです。しょーがねえなあ。閣僚の傾向については、田村秀男編集委員による(2)の方が詳しく、わかりやすいのは、いったいどうしたわけでしょう*4。
新政権の閣僚(正副大統領を含む)16人のうち、9人がクリントン政権でも役職に就いていたと指摘しているのですが、【大統領夫人】ってのは役職なのか*5。【州司法長官】というのも、米国の制度を考えるとクリントン政権の役職とは言えないような気がします。民主党から有能な人材を捜したら、8年前にもそれなりの役職に就いていた確率は高いのですから、あまりクリントン政権の焼き直しみたいにいうのも、どうでしょうか。
今年の漢字にもなった「変(change)」を訴えたオバマ氏が、ワシントンでの活動歴が長い人々を多く起用したことで変革が止まるのではないか、という古森氏の危惧はよくわかります。日本でも、改革派の知事が部下であるはずの役所に取り込まれた例などを思い出します(あるいは、最初から変な人だった例もありますが)。しかしどうも、古森氏の危惧はそれとは逆で、オバマ政権が左傾してないことがご不満の様子に見えますね。オバマ氏のミドルネームを書かなくなったのは、もしかしたら自分に都合のいい政権になってくれるかも、という期待からでしょうか。*6
*1:実はわたしはご存知じゃなかった(笑)。今ざっと数えたら約680字だったというだけです。
*2:ちなみにこれで約140字です。
*3: d:id:pr3:20081104:1225810543 参照
*4:【チーム・オバマを占う】(2) 「経験豊富」ルービン門下 オオカミ用いて危機退治 (1/3ページ) - MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/world/america/081212/amr0812120017002-n1.htm
*5:まあ゛「史上もっとも有能なファーストレディ」であり夫よりも有能でもしかしたら政権への影響力も強かったかもしれないことは周知の事実ですし、なのに正式な役職に就いていなかったので、こう書くしかないのでしょうが。また、ファーストレディというのも一種の(儀礼上の)役職だと考えることはできます。
*6:古森ブログでは記事と同じ11日付の http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/831803 でこの記事を転載していますが、記事の他に付記された文章でも、姓だけの表記をしています。その前日までは見出しにはミドルネームを付けていました。もっともこれは過去の記事の転載で、実際には先月末あたりからわざわざミドルネームを書くことは止めているようです。