黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

佐藤守氏のプライドについて。

 よそ様の個人blogに対して、ここではあまり否定的な形では言及するまいと思っています*1 *2。ただ、なんだかどうも、今日の天気と同じような、もやもやした気持ちが収まりません。
 対馬関連でなんとなぐぐぐっていたら見つけたblogの*3、その別エントリで、たまたま読んでしまった記述です。

「やっかみ」は見苦しい! - 軍事評論家=佐藤守のブログ日記
http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20081025/1224903398

 ここで、佐藤氏のエントリに対して政治的・思想的な批判をしようというつもりはまったくありません。このエントリにも「信頼する“産経”にしては」という記述があったりして、様々な面で意見が食い違うだろうと思いますが、そのことは保留しておきます。エントリの内容に関しては、肯定ぎみのノーコメントとします。言及したいのは、一点の記述についてです。

(前略)これを見た私は「貴様、今なんと言ったか!パイロットが旨い飯と危険手当もらうのが、そんなにうらやましいのなら、なぜ貴様はパイロットにならなかったのだ!」と問い詰めた。
 2曹は「目が悪かったけんパイロットにはなれんかった・・・」と言ったので、「目が悪くなったのは貴様自身のせいだろう。自分が努力もしないでパイロットになった他人を妬むモンじゃない!」と説教した。
 これを後で見ていた歴戦の勇士、柔剣道の名手で戦場で負傷して帰還した先任空曹が、「佐藤中尉殿が言われるとおり。○○2曹、謝れ!」と怒鳴った。(後略・強調は引用者)

 そうですか。わたしの母方の親族はみな乱視傾向で、わたし自身も物心ついたころから眼鏡をかけるようになるまで、ものの輪郭がぼやけて見えるのは当たり前だと思っていました。親からもらった努力不足のためにお国の役に立てなくて、本当に申し訳ない思いです。
 視力の悪化が自己責任という場合もあるのは確かでしょう。再び自分の例で恐縮ですが、幼児時代から本に顔をくっつてるようにして一日中活字にかじりつくようなことをしていなければ、乱視はともかく近視にはならなかっただろうと思っています。具体的な説明はありませんが、もしかしたら○○二曹の視力が落ちたのも、防ごうと思えば防げる事情だったのかもしれません。また、二曹の軽口も、佐藤氏の記述を読む限りでは、軽率なものではあります。航空自衛隊パイロットが、視力の維持を含めて、人並みはずれた努力をしているのは確かでしょうし、その点については素直に敬意を表します。努力を重ねたパイロットが、高いプライドを持つのも当然のことです。
 ただ、ひとつだけ。そのプライドは、他人が生まれ持った身体的特徴を否定できるほどのものなのでしょうか。

*1:メディア企業・言論機関を代表するようなblogは別として。佐藤氏についてはフリーランスと見るべきか岡崎研究所等の肩書きを背負っていると見るべきか微妙ですが、ここではあくまで個人blogとしてみています。

*2:単に、ネット上のケンカをあまりしたくない、というだけの理由でもあります。ほとんどの場合、ただの消耗戦になってしまいますから。

*3:該当エントリは引用したエントリの前日のもの。貼り付けるとTBが重複するので誘導のみでURLは略します。