黙然日記(廃墟)

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麻生内閣・各紙社説読み比べ、他。

 さてさて。新内閣発足ということで、恒例の社説読み比べです。しかしこれが、一言では片づけられないんですね。とりあえず五十音順に並べておきます。

asahi.com朝日新聞社):社説
麻生新内閣―解散の前にやるべきこと
http://www.asahi.com/paper/editorial20080925.html?ref=any

「【主張】麻生新内閣 危機を打開し信を得よ 」コラむ‐オピニオンニュース:イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/181216/

東京新聞:決戦へ陣形が整った 麻生『選挙管理』内閣が発足:社説・コラム(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2008092502000133.html

NIKKEI NET(日経ネット):社説・春秋−日本経済新聞の社説、1面コラムの春秋
社説1 麻生内閣「背水の陣」の決意伝わるか(9/25)
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20080924AS1K2400124092008.html

社説:麻生新内閣 政権選択問う機は熟した - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080925k0000m070138000c.html

麻生内閣発足 「明るく強い国」をどう造る : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080925-OYT1T00067.htm?from=any

 各紙とも、麻生総理への評価、組閣への評価、臨時国会の展開、来るべき総選挙についてなど、書くべきことが多すぎて、短文の羅列になってしまっていますが、しかしそれもやむを得ないところでしょう。横並びの評価がしづらいわけですが、ふと思いついて、一つの切り口だけで比較してみました。*1
 今年前半の“ねじれ国会”で最大の争点となったのが、日銀総裁人事と、その反対理由としてあげられた財政・金融分離の原則でした。このときは、五大紙すべての社説が野党の抵抗を批判し、財金分離原則を軽視していました*2。今回の麻生内閣で財政相と金融担当相を、あの中川(酒)氏が兼務することになり、財金分離原則は思いっきりないがしろにされたわけですが、それに対する評価です。
 朝日は「戦略が鮮明」とかいって、これは褒めているのかどうか、実はよくわかりません。産経は「首相の指導力を評価する」としていますが、根拠がよくわかりません。東京はこの人事については触れず。日経は、金融危機の折から本当は駄目なんだけどやむを得ない、という判断。毎日ははっきり批判しています。読売も金融危機を前提に、当然と言い切っています。産経はやはり異彩を放ってますねえ。

産経「正論」、給油を批判する。

 ちとエントリの構成として読みづらくなりますが、これは取り上げておきたいので。

【正論】平松茂雄 「世界一」が泣く海自の失態 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/181234/

 中国軍事専門家の平松氏が、インド洋への給油艦派遣に反対しています。そんなことをしている間に日本周辺の防衛がおろそかになっている、先日もイージス艦「あたご」が中国の潜水艦(らしきもの)を発見したのに追跡しきれず見逃してしまったではないか、人手不足で自国の防衛がおろそかになっているのに海外派遣している場合か、という、まことにもっともな意見です。実は「あたご」が追跡したのは潜水艦ではなく、クジラを見間違えたのではないか、という説もあるようですが、それはそれで海自の索敵能力に大きな疑問符が付けられる事態なわけですしね。まあいずれにしろ、「あたご」の探索能力・回避能力には致命的な問題があるのではないか、という疑問は、すでに出ているわけですが。

*1:ほんとに思いつきの切り口で、他にもっと面白い視点があったかもしれませんが。

*2: http://d.hatena.ne.jp/pr3/20080308/1204986416 参照。