黙然日記(廃墟)

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産経抄、約束を守って信頼を裏切る。

産経抄】7月12日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/160542/

 いきなり「約束(プロミス)エッセー大賞」の名前が出てくるのを見て、ぎゃふんと言ってしまいました。フジサンケイグループが、サラ金会社を事実上の冠スポンサーとする賞を続けていること自体恥ずかしいのに、さらに宣伝をしますか。そしてこの賞をネタ振りに、加藤紘一氏に「約束」についての考えを質しています。
 犯罪国家が相手でも*1、約束は約束として守るのが外交ルールというものであって、それが嫌なら最初から約束なんかするべきではないし、約束を破るなら戦争状態も覚悟するべきところです。「国際社会との約束を破り続けてきた北朝鮮」がどんなことになっているか、説明の必要もないはずです。テロリスト相手の交渉でさえ、約束を一方的に破ったら、こちらが圧倒的な戦力を持っていないかぎり、あるいは持っていたとしても、報復されることを覚悟しなければなりません。外交に関するその程度の認識もないとは、なんという平和ボケのお花畑なんでしょうか。
 そして最後は、読者に雑誌「正論」8月号を読むように薦めています。言うまでもなく、産経新聞社発行の雑誌です。要するにこのコラムは頭から尻まで、そうとは明かさないままの自社広告だったんですね。「約束を守れ」という内容で信頼を裏切ってみせるとは、なかなか芸の細かいコラムだったようです。

*1:相手が「国家」かどうか、改めて検討する必要はあります。ただ、拉致被害者一時帰国に関して、日本政府が相手を「国家」として扱っていたのは事実です。