黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

つくる会内紛、法廷へ。

「新しい歴史教科書」出版差し止め求め提訴 「つくる会」が扶桑社に - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/160482

 最近小ネタばかりやっていましたが、大ネタが来ました。ご存知の方が多いと思いますが簡単に背景を説明すると、中学校歴史教科書作りに関して、かつて「新しい歴史教科書をつくる会」で内紛があり、藤岡信勝氏らが「つくる会」に残り、八木秀次氏らは脱会、「教科書改善の会」(屋山太郎代表)を新たに設立しました。旧「つくる会」教科書を出版している扶桑社(フジサンケイグループ)は新「つくる会」と縁を切り、「教科書改善の会」の新しい教科書を出すことになり(版元は扶桑社子会社の育鵬社)、新「つくる会」は改訂版を独立系出版社の自由社から出すことになっています。当然ですが、産経新聞は扶桑社側、ひいては「教科書改善の会」に近い立場で、新「つくる会」とは険悪な状況になっています。
 「つくる会」によると、扶桑社との出版契約が2009年度までなので出版契約を2009年度までで打ち切り*1、2010年度以後の教科書出版差し止めを求めるものです。自由社版教科書は今年4月に検定申請したそうなので、2010年度に間に合うかどうかというぎりぎりでしょう。一方、育鵬社版は2012年度発行予定となっています。扶桑社側は、2010〜2011年度に扶桑社(育鵬社)版が出せなくなると教育現場での継続性が保てない、身勝手な言い分だ、と主張しています。しかし、その手の教科書を採用したい学校にしてみれば、扶桑社版でなくてもとりあえず自由社版があれば困らないわけで、扶桑社の主張こそ身勝手ではないでしょうか。もちろん、一度自由社版を採用すれば2012年度以後も続けて採用することが考えられるわけで、育鵬社にしてみれば死活問題でしょう(いずれにしろ、教科書全体のシェアのうち0.5%を争っているんですがね・笑)。
 まあいずれにしろ、共倒れしてくれるのがいちばんいいのですがね。

*1:7/12コメント欄でのご指摘により修正。