黙然日記(廃墟)

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産経「正論」を批判する価値。

【正論】櫻田淳 「胡訪日」以後 いま、中国と「共感」の価値は - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/145009/

 昨日から「正論」はシリーズ連載で(といってもいつものとおり、予告もなく始まって2、3回で終わるのでしょうが)、「『胡訪日』以後」のテーマが続いています。というわけで今日は「正論」メンバーの新鋭・櫻田淳氏の登場です。
 この「正論」そのものについては、先に簡単に片づけておきます。産経新聞紙上の中国批判としては、ごくまともな部類ですね。ただし、「ソフトパワー」の定義がおかしすぎます。世界二大料理*1としてフランス料理と並ぶ中華料理の存在は無視でしょうか。観光資源もいくらでもあるし、「ソフト」という言葉にこだわっても、香港映画はいまや中華人民共和国の所産物です。もちろん、言論統制の問題があるので、中国のソフトパワーの将来性に疑問が持たれるのは確かですが。


 さて、本題は櫻田氏自身についてです。今確認したら、櫻田氏については前回4月21日と前々々回3月12日に「正論」に執筆したときも、「これはひどい」ということでここで取り上げていました*2。前々回3月31日*3も、取り上げようかと迷ってやめた記憶があります。とにかくひたすら自民党擁護・民主党批判だけでしたから。特に前回はあまりにひどくて、わたしも厳しく批判しましたし、他にたくさんの批判が集まったようです。そのときに確認してみたら、櫻田氏が自民党議員の政策秘書を務めていたことを知り、呆れかえったというわけです。
 この4月21日「正論」への批判がきっかけになったらしく、櫻田氏がblogを停止したことは、ご存知の方も多いと思います。

雪斎の随想録
http://sessai.cocolog-nifty.com/

雪斎の随想録: 告別の辞
http://sessai.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_6459.html#more

 この最後のエントリをあらためてじっくり読んでみて、あらためて呆れました。「権力は『賢明に使う』ためのものであって、『批判する』ためのものではない」のだそうです。政策秘書(広義の政治家)がそう考えるのはむしろ望ましいし、政治学者の意見としても、おそらく議論には値するものでしょう。しかし、ジャーナリズムの場で論説を発表する視点としては、認めがたいものです。そしてそれだけの批判を受けながら、今回また登場する感覚も理解不能です。そもそも、自分の文章が民主党という一つの「権力」を批判したものであることに、気づいていないのでしょうか。


 今回、あえてTrackbackは送りません。TBは、相手に意見を伝え、再反論してもらうために使うものだと思っています*4批判されただけでヘソを曲げ筆を折る人とは、話をする意味がありませんから。

*1:普通は「世界三大料理」として三番目にトルコ料理とかイタリア料理とか日本料理とかが挙げられますが、フランス料理と中華料理については異論がないのですから、無理に3という数字にこだわることはないでしょう。

*2:前回 http://d.hatena.ne.jp/pr3/20080421/1208789100 前々々回 http://d.hatena.ne.jp/pr3/20080312/1205322387

*3:【正論】櫻田淳 「党争」と政策課題の軽重 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/133960/

*4:そういうわけで、なんの意見表明もない宣伝目的のTBは黙って削除しています。ご了解のほどを。