黙然日記(廃墟)

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産経「正論」、人民日報を信用する。

【正論】中嶋嶺雄 胡錦濤訪日の意味するもの - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/142077/

 冒頭からいきなり、「正常な国際感覚と中国観をもつかぎり(中略)胡錦濤・中国国家主席を今この時期に国賓として迎え、日中友好をたたえることなどあり得ない」と始まります。隣人との不必要な対立を避ける一般的な日本人は(その態度の是非はともかく)、異常な人々らしいです。外交儀礼上、国賓の招待をキャンセルするなどという行為は、宣戦布告直前ぐらいなものなんですが、それがわかっているのでしょうか。こういうときこそ、トップに向けて対等な立場で真摯な意思表示をすることが必要だ、とわたしなどは考えているのですが。福田首相にそれができるかは、また別の話として。
 この「正論」は、冒頭文のように中国批判がテーマのはずなのですが、文章全体では政府与党に対する批判の方が目立ちます。伊吹文明自民党幹事長と北側一雄公明党幹事長が「露払いのように訪中」したと言っていますが、首脳会談の前に幹部クラスが会談を持つのも当たり前の話でしょう。特に報じられていませんが、その前に実務者レベルの協議も積み重ねられているはずです。
 さらに中嶋氏は、「人民日報」の報道を紹介し、朝貢外交だったと非難するのですが、自民党幹事長自身の発言より「人民日報」の報道を信頼しているんですね。わたしはずっと、「人民日報」は中国政府のプロパガンダを垂れ流し、政府に都合の悪いこと(チベット問題を指摘された、など)は書かない新聞だと思っていました。しかし、先日の古森義久氏(中嶋氏となかよしさん)といい*1、最近の「正論」メンバーや産経記者は、中国の報道を非常に高く評価しているようです。やはり、中国の国益を最優先で伝えているところがお気に入りなのでしょうか。