黙然日記(廃墟)

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古森義久氏、爆弾発言する。

黒人牧師の爆弾発言はオバマ候補に損害を与えるか―― - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/559373

 なんだか中途半端な見出しだなあ。コメント欄も全然伸びていないのですが、コメントしづらいエントリですね。オバマ候補を長年教えてきたライト牧師が、4月28日にまた過激な発言をしたという話です。
 ところで「爆弾発言」という言葉はふつう、ある人が予想もしていなかった内容(あるいは公の場では言わないだろうと思われる内容)を突然言い出した場合に使われる表現だと思うのですが、ライト牧師が以前から述べていた(と伝えられる)内容を繰り返した場合に使うのは、適切なのでしょうかね。ここで「爆弾発言」という単語が出てくるとは予想もしていなかったので、この表現自体が「爆弾発言」のように思えます。どちらかというと「自爆発言」かもしれませんが。
 このエントリは、オバマ氏がライト牧師への絶縁を宣言したことより、牧師の過激な発言を紹介する方に力が入っています。日本時間で4月30日08時17分、米東部夏時間では29日19時17分のエントリなので、書いている途中でオバマ氏のコメントを知ったのかもしれません。この絶縁宣言の方がよほど爆弾発言なわけですが、これによって古森氏が指摘するオバマ氏不利の要素は消えてしまい、エントリ自体が無意味になっているんですが、どうしたもんでしょうか。
 ライト牧師の発言のうち、「エイズ少数民族への米政府による生物兵器」というあたりはちょっとあまりにもどうなのか、と思いますが、「9・11は米国の自業自得」という認識については――結果の悲劇とテロという手段への怒りは強調しておきますが――否定できないところだし、米国人以外の多くが持っている認識でもあります。中東もしくはイスラム圏への対応を誤り続けてきた半世紀への自業自得です。米国が(今のイラク戦争については誤りを認めるとしても)対中東政策全体の誤りを認めるには、長い時間がかかるでしょう。それを指摘してやるのが友邦のつとめであって(「友だちの間違いを言ってあげるのが本当の友情」と、小学校の道徳の時間で習いました)、いっしょになって「間違ってない!」と叫ぶことが、米国にとってなんの役に立つのでしょうか。
 オバマ大統領の登場が、その"Chage"のきっかけになればいいのですが。