古森義久氏、チベット問題に注目する。
チベット人の悲劇が北京オリンピックを変える――米紙の社説から - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/525161
問題はチベット弾圧だけではない、中国政府はこのままでは北京五輪を恥ずかしいものにしてしまうぞ、という「ワシントン・ポスト」の社説を紹介しています。該当の社説はこちら(もしかしたらログインしないと読めないかも)。
Olympic Shame - washingtonpost.com
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/03/25/AR2008032502440.html
見出しは"Olympic Games"と"Shame"を(たぶん)かけていて、無理に日本語に訳すと「オリン恥辱」とでもなるでしょうか。古森氏がこの点に言及していないのは、"Shame"という単語から"Hall of Shames"を思い出してしまうからかもしれません。
いちおう確認しておきますが、WP紙社説もそれを引用する古森氏も、北京オリンピックをボイコットせよ、とは発言していません。どちらかというと両者とも、五輪そのもののボイコットには消極的なようです。
WP紙社説には、チベット弾圧はもちろんですが、特に報道への弾圧に関する批判が目立ちます。志を持ったジャーナリストなら、真っ先に仲間の危機に怒りを示すのが当然だろうと思います。*1ところで古森氏は、いままで中国政府の人権弾圧をいろいろ批判してきましたが、報道弾圧について総括的に取り上げたことってありましたっけ?
最後に古森氏は、四川省チベット族居住区から伝えられた弾圧現場の写真を紹介しています(freetibet.orgより。http://www.freetibet.org )。中国政府の犯した現在最大の問題がチベット弾圧であることは間違いありませんが、古森氏はチベット問題を強調することによって、WP紙が指摘する他の弾圧問題から目を逸らさせようという微妙な意図を持っているのではないかと感じます。気にしすぎでしょうかね。
おまけ。
ふと思いついて検索してみた結果。
"恥辱の殿堂" 古森 に一致する日本語のページ 約 24,900 件中 1 - 50 件目 (1.04 秒)
"恥辱の殿堂" -古森 に一致する日本語のページ 43 件中 1 - 43 件目 (0.53 秒)
43件の中には誤記の「小森」なども含まれます。
さらにおまけ。(03/30)
【コラム・断】五輪に参加する意義 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/dan/133818
http://d.hatena.ne.jp/pr3/20080328/1206706253 でぼろくそに言及した潮匡人氏ですが、今日の『断』*2では北京五輪開会式ボイコットを訴えています。彼自身への評価はともかくとして、ボイコットの大きな理由に報道の問題を挙げているのが興味深いですね。評論家がジャーナリストに含まれるかは微妙なところですが(日本では「看板を持っているフリーライター」につける肩書きですから、広い意味でジャーナリストとしてもいいと思いますが)、境界線上の人がジャーナリズムを語り、ジャーナリストの代表であるはずの新聞記者にその自覚がないという現象は、たいへん面白いものがありますね。面白いっつーか、笑えるっつーか。