黙然日記(廃墟)

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産経「正論」、政権与党を根本から批判する。

 中国国民党馬英九氏が台湾(中華民国)総統に大差で選出されました。産経新聞電子版はさっそく昨夜の段階で、「正論」メンバーである伊原名誉教授の談話を掲載しています。

台湾総統選「政治安定の好機失った」 帝塚山大学 伊原吉之助名誉教授 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/131920

 好機とはなにかと思ったら、議会と総統がともに国民党になると、一党支配になり政権与党が慢心し絶対的腐敗を招く、のだそうです。
 そうですねー。まったくそのとおりだと思います。野党からの批判がちゃんと機能して、適当な時期に政権交代するのがまともな民主主義というものですよね。ただ、別に国民党を見なくても、かなり身近にそういう例があったような気もするのですが、ちょっと思い出せません。年のせいかな。これがもっと年を取ると、そういう例が存在すること自体忘れてしまうかもしれません。こわいこわい。
 いやなんかもう、こうしてツッコむのが申し訳ないような気分になってきます。もし伊原氏が本気でこの談話を出しているのだとしたら、そっとしておいてあげるべきなのかなあ、と。
 と言いつつ、いろいろ調べてしまったら、こんなものを見つけてしまいました。

【正論】伊原吉之助 台湾に鳴り響いた「神の声」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/118849/

 伊原氏が1月29日の「正論」欄にも登場しているのですが、読んだとき「なんか変だなあ」と思いつつ、小ネタだったので放置していました*1。しかし今読むと、この時点ですでに一党支配の絶対的腐敗を唱えていたのですね。「正論」には(現在の)政権与党に対する本質的な批判は決して載らないと思いこんでいて、見過ごしてしまったようです。いや、どこの国の政権与党ということではなくてね。ええ。

*1:福田赳夫首相の発言は「天の声にも変な声がある」であって、「民の声〜」ではありません。解釈によってそういう意味に取れるとしても、引用としては問題があります。また、「天の声=民の声」という解釈もできますが、総裁選の朝に「天の声を聞いた」と発言した時点では、民の声以上の絶対的なものを確信していたようにみえます。