黙然日記(廃墟)

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古森義久氏、中国スパイ事件を予測する。

中国の対アメリカ・スパイ活動が明るみに――米中関係の真実とは? - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/481829

 産経に掲載された記事の引用がほとんどを占めていて、エントリ本文は非常に短いので、独自の主張というものがよくわかりません。記事のうち1本は山本秀也記者によるもの*1、もう1本は2月4日の古森氏自身によるものです。

「中国のスパイ活動、最も攻撃的」米下院司法委公聴会 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/120175

 大事件が発覚する前に予測していたぞ、と威張りたかったのかもしれませんが、それにしても中途半端な。もともと、この公聴会以前に米国政府がスパイ事件を把握していて議題として取り上げ、公表がその1週間後になった、という話かもしれません。そこに気づいていたなら古森氏はさすがの慧眼、ということになるのですが、そういうわけでもなさそうだし。
 エントリ全体の前提として、「米中接近を言う人が(日本にも)いるが、このとおり対立しているぞ、いつも俺の言っているとおりだ」と言いたいのかもしれませんが(間違ってたらすみません)、米国と中国が政治的・軍事的に対立し、隙あらば相手の技術を盗み見しようとしていることは、さらにその前提ですよね。「米中が同盟を組んでいる」と主張する人がいるわけではないし、日米軍事同盟(というものがあったとして)でさえ、米国軍事技術の核心部分は教えてもらえないのだし。そうした対立状況があるにもかかわらず接近する傾向があるから注目されているのではないでしょうか。まさか国際問題評論家で米国の事情に非常に詳しく中国駐在の経験もある古森氏ともあろう人が、米中の正確な距離を見誤っているとは考えにくいのですが。