黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

古森義久氏、マケイン候補を語る。

【緯度経度】マケイン氏 「穏健」イメージと異なる日本観 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/121504

 米大統領選挙で共和党候補にほぼ確定したジョン・マケイン氏の、特に対日姿勢について、以前から面識のある古森氏が解説したコラムです。1989年にマケイン氏に初インタビューしたころの思い出から、

当時のマケイン氏が述べた日本観や日米同盟観からすれば、今回の大統領選で発表した外交政策での日本に関する見解もごく自然にみえる。(中略)マケイン氏のそのころ主張と同じ範疇(はんちゅう)といえそうなのだ。

 と述べています*1ベトナム戦争の勇士だったマケイン氏の外交政策は、冷戦時代と基本的に変わっていないということですね。
 冷戦終結から湾岸戦争にかけての時期も、マケイン氏は日本に対して、金銭的にも人的にも貢献することを強く求めていたそうですが、古森氏はこれを、じつに嬉しそうに報じています。日本が軍備強化への期待に応えられなければ、(米大統領になっているかもしれない)マケイン氏は強く非難するだろう、という予言もしています。しかし、日本の軍備強化を肯定するところまではいいとしても、それを求める外圧まで肯定するのは、はたして日本の国益にかなうものなのでしょうか。
 ところで古森氏は、湾岸戦争当時のマケイン氏の発言を「世界でも最も柔軟な憲法の陰に逃げこんだり」と訳して引用していますが、ここは「軟弱な憲法」と言ったんじゃないでしょうかね。日本国憲法の条文が(軟弱な、あるいは平和主義的な方向に)強硬だからこそ海外派兵はできないのですから、少なくとも「柔軟」という訳はおかしいと思います。古森氏にも、憲法に対してなにか遠慮するところがあるのでしょうか。
 古森氏は、あるいは産経新聞は、他の記事やblogで、民主党クリントン候補やオバマ候補の対日姿勢が不明確だとして批判しています。ろくでもない方向に明確であるよりは、消極的現状維持の方がよほどマシだと思うんですけどねえ。

*1:どうでもいいけど「そのころの主張」ですよね。なんでこう産経のサイトは誤植が多いのか。