黙然日記(廃墟)

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古森義久氏、針小棒大。

平沼訪米団が拉致問題での成果をあげた?――北朝鮮は「テロ支援国家」指定から解除されず-ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/455774

 例によって平沼赳夫氏の公式サイトから写真を引っ張っていますが、なぜわざわざ靖国参拝時の写真なのか(笑)。
 昨年の拉致問題に関する訪米団は、家族会、巣食う会 救う会拉致議連による団体でした。古森氏も、11月13日および15日のエントリ*1では平沼氏の存在をあまり重視せず「合同訪米団」と表現していたのに、17日のエントリ*2でいきなり平沼氏を持ち上げはじめ、いつのまにか「平沼訪米団」と表現するようにまでなってしまいました。平沼氏を団長とする合同訪米団ですから間違いではないのですが、ふつうは「平沼センセイとゆかいな仲間たち」みたいな状況に使う呼び方ではないでしょうか。巣食う会はともかく、家族会の立場がありませんね。
 メディア等ではさほど強烈なイメージがなくても、直接会話するとその相手に魅了されるということはよくあるし、政治家というのは(少なくとも元大臣クラスの大物なら)たいていそうしたカリスマ性を持っているようです。逆に言えば、そうしたカリスマ性の持ち主でなければ、政界再編のキーマンになるかも、という存在感は保てないでしょう。しかしそうしたクリティカルな立場にいる政治家にあまり心酔しすぎると、ジャーナリストとしては損をすることになりかねません。ある政治家にべったりくっついていた記者が、政治家の突然の辞任で居場所がなくなり遊軍担当に飛ばされた事例などもあります。
 古森氏は米国でも、共和党ネオコン系の人脈しか取材しない方針のようですが、うっかりマイク・ホンダ議員と直接対面なんかすると、魅了されてしまって叩けなくなることを恐れているんでしょうかね。


 そういう点をふまえて、やっと本題のテロ支援国家指定解除問題について。昨年後半に言われていた年内解除が実現しなかったことについて、古森氏は勝ち誇りつつ、訪米団ことに平沼氏の功績を褒め称えています。ところがその先をよく読むとどうも、北朝鮮は口先だけでうまいことを言っていたが実際は核開発やテロ支援を辞める気がないことがはっきりしてきたから、指定解除がなくなったようにしか思えません。まあ、金正日政権がそうあっさり改心するはずがないので、どこまで押すかどこまで引くかという駆け引きの問題だったわけですね。駆け引きの一環として、ハードルを高くするために複数の問題を突きつける方法があり、そのために「日本人拉致」が使われたという状況でしょう。訪米団の影響がまったくなかったとは言えませんが、実際にはどのていどだったのか。また、もっと大きな視点から、指定解除がされないことは拉致問題解決に向けてどのていどの影響があるものなのか、そういう話を聞きたかったところです。