黙然日記(廃墟)

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産経、肩すかしを食らう。

 産経新聞古森義久記者が、「日米同盟の立場から、拉致問題が解決しない限り北朝鮮テロ支援国家指定を解除するべきではない。福田首相ブッシュ大統領との会談でそのことを強く訴えるべきだ」と主張し続けてきたわけですが、いよいよ17日未明(日本時間)に会談が行われました。

福田首相、北のテロ指定解除に反対表明-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/103070/

 首脳会談開始後の、産経の第一報です。今堀守通記者はワシントン支局ではなく同行記者団の人かな。福田首相は、拉致問題テロ支援国家解除問題をリンクさせるべきだと表明したことになっています。さて、会談後の記者会見の模様です。(参考として詳報の記事もリンクしておきますが、要旨の記事だけでも大筋は変わりません)。

拉致問題決して忘れない」日米首脳会談要旨-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/103253

日米首脳の共同記者会見詳報(1)ブッシュ米大統領-イザ!
日米首脳の共同記者会見詳報(2)福田康夫首相-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/103130/
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/103131/

 日米同盟も拉致問題も強調され北朝鮮問題も話し合われ、産経的には満足というところでしょうか。いやいや。指定解除と拉致問題がリンクするとは一言も述べられていません。拉致問題を念頭に置いたまま指定解除し対話することは、特に不可能や矛盾があるわけではありませんね。むしろ対話の中で拉致問題になんらかの進展があることも考えられるわけですが、これは現時点で言ってもしかたないか。拉致問題強硬派の顔を立てつつ現実的な路線を示した福田外交を、強硬派はどう評価するでしょう。
 ……と締めようと思ったら、他紙ですがこんな記事が出ていました。

asahi.com:「ごあいさつに来たのか」 拉致家族会、首相に失望の声
http://www.asahi.com/politics/update/1117/TKY200711170129.html

 やっぱり不満のようです。福田首相拉致問題のリンクを表明したという最初の報道が事実なら、できることはみんなやったわけで、あとはブッシュ大統領の判断ということになるのですが、産経の矛先はどっちへ向くことになるんでしょうね。