黙然日記(廃墟)

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古森義久氏、屋山太郎氏に賛同する。

【正論】屋山太郎 「大連立」の不可解-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/98170/

 11月7日付の産経新聞「正論」欄です。いや話題はこれではなくて、古森氏のblogです。この屋山「正論」を読んで思い出したかのように、また飽きもせずに小沢氏の国連中心主義にいちゃもんをつけ続けているのです。

小沢一郎氏が民主党内で議論しなかった奇怪な安全保障政策――もう一つの文書から-ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/380882

 ことに、屋山氏の「これが国連第一主義の根拠となる文書だが、それが党内で議論され、賛同された形跡はない」という文章に、同意を示しています。そして、小沢氏が鳩山由紀夫氏や米沢隆氏との間でかわした基本政策文書を取り出して、日米安保条約と日米同盟についてまったく触れていないと激しく不満の意を表しています。
 さて、最新の民主党マニフェスト(2007年参院選)を見てみましょう。(PDFファイルにつき注意。また、いきなり小沢氏の顔がでっかく出てくるので要注意)

Manifesto マニフェスト 2007
http://www.dpj.or.jp/policy/manifesto/images/Manifesto_2007.pdf

提言7 主体的な外交を確立する。
● わが国外交の基盤として、相互信頼に基づいた、強固で対等な日米関係を構築します。
自衛隊イラク派遣を直ちに終了します。
● 国連を中心に世界の平和を構築するため、国連の平和活動に積極的に参加するとともに、国連改革を主導します。
● 中国、韓国をはじめ、アジア諸国との信頼関係構築に全力をあげます。

 常識的に考えて、マニフェストの内容は党内で議論され、賛同されたものだと思うのですが……。また、仮に議論していないとしても、少なくともインド洋給油からの撤退とその根拠になる国聯決議重視に関しては、民主党はほぼ一枚岩で賛同していましたよね。
 また、日米安保条約で両国が対等な義務を負っていない(米国は防衛の義務、日本は基地提供の義務を負っている)ことを古森氏は承知していると思うのですが、そういう意味も含めて民主党は現行の安保条約を否定していると考えられます。もちろんこれは、対米関係の軽視をそのまま意味するわけではありません。ですから、小沢氏の言動も民主党の方針もその内部で、また互いに、なんら矛盾はしていないと思うのですが*1、古森氏は単に「日米安保条約絶対、日米同盟絶対」という自分の考えに凝り固まっているだけで、それと違う考えを頭から否定しているわけです。いや、(一方的とはいえ)議論ですから相手の考えを否定すること自体は当然なのですが、なにが問題になっているのかも理解せずに聞く耳持たないという態度は、これは議を論ずる態度とは言えません。ただ「とんでもない」とわめきちらすのではなく、相手のなにが間違っているのかを論拠を挙げて説明するのが、この場合の正道ではないでしょうかね。国連が信用できないと古森氏が思っていることはもうよくわかりましたから、今度は日米同盟がなんでそこまで絶対なのか、日本の選択肢が他にない理由を、誰でも理解できるように説明してもらえないものでしょうか。それが可能ならば、ですが。

*1:もっとも、「対等な関係」の目標が、日米安保の完全破棄なのか相互防衛義務を明記した新条約なのか不明なあたりが、マニフェストとしては問題だなあ、と思いますが。