黙然日記(廃墟)

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教育再生会議、擦り寄る。

教育再生会議が再スタート 首相、具体的な指示なく-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/93577

 いつものことですが、教育関連については産経より毎日の記事の方が参考になります。教育関連に限らないか。

教育再生会議論議再開 福田首相寄りへ大きく変質-毎日jp
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071024k0000m010115000c.html

 安倍前首相肝煎りで開かれ、迷走を続けた教育井戸端会議が、福田政権で継続したというだけでもかなりの驚きでした。山谷えり子補佐官や下村博文・前官房副長官は、いったいどんな手管を使ったのやら。再生会議の継続は、彼ら関係者にとっては僥倖(国民にとっては悪夢)だと思うのですが、安倍−下村−山谷ラインをプッシュし続けた産経にとっては、まだ不満なようです。安倍教育再生路線の一つの目玉であったバウチャー制導入などがこの状況で難しくなったことについて、まだ未練があるのかもしれませんが、早く現実を認識してもらいたいものです。


 それにしても、産経と毎日の見出しが両方とも正しいとするなら、再生会議は首相からの指示がないのに擦り寄っていったと解釈できるわけですが、実際のところはどうなのでしょう。
 福田カラーっぽいものを出そうとはしていますが、そもそも福田首相は教育問題に詳しくなく主張もなく、既存のもので勝手にやっていてくれというスタンスのようで、再生会議の側は「自立と共生」なる福田首相のキャッチフレーズを取り入れることぐらいしかできなかったわけです。逆に言えば、もし安倍教育再生路線と正反対の、またはそうでなくても文科省寄りの政策を掲げる政権になっていたら(たとえば、安倍時代文科省の立場を代弁していた伊吹文明・前文科大臣が首相になっていたら、という想定は、それほど無理ではないと思います)、再生会議はそれに迎合した可能性が高かったのではないでしょうか。
 教育現場より政治の方を向いている(というか教育現場を見ているかどうかも怪しい)再生会議が、実際に教育行政を左右しようというのなら、それこそ教育に対する政治介入であり、改悪教基法ですら否定している「法に基づかない不当な介入」を目指しているように見えます。