黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

古森義久氏、オールジャパンの必要性を説く。

 http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070911/1189507291 で柔道の国際化を無邪気に喜んでいた古森氏に、国際柔道連盟から日本人理事がいなくなったことをどう思うのか?と疑問を呈したのですが、その回答というわけではないでしょうが、今日はこんなエントリを出していました。

柔道の山下泰裕氏が国際柔道連盟理事落選の背景を説明したーー山下氏の書簡から-ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/300617

 国際問題に詳しい柔道家ということで、古森氏と山下氏は以前から面識があり、今回の件に関する事情説明の書簡をジャーナリスト代表として古森氏にも送ってきたそうです。これをまさかblogで取り上げるだけで終わらせては山下氏の信頼を裏切ることになりますから、いずれ紙面でも記事として取り上げるのでしょう。
 本文の大半は山下氏の書簡で占められています。彼の説明によると、連盟の新会長が権勢欲の強い卑怯な男で、彼に同調しなかったから選挙工作によって破れたのだ(実際にはもうちょっと柔らかい表現ですが)、ということなのだそうです。わたしは現役時代の山下氏が素晴らしい活躍をするところを何度かテレビで見たぐらいの関わりなのですが、当時も今も、柔道家らしいまっすぐな性格の人なのだなあ、という印象は変わりません。こういう状況で「まっすぐ」は誉め言葉にはなりませんが。また、柔道家だから必ずまっすぐな性格というわけでもないようだ、ということも申し添えておきます。
 ともかく、柔道家である古森氏はこの件にたいへん憤り、「この現状には日本としてオール・ジャパンの対応が必要だと思います」と訴えています。この言い方は政府の対応といったことも含めているのだと思いますが、しかしこれ、基本的には一つの国際組織の内部政治という話ですよねえ。日本政府が動いたり、日本の世論が盛り上がったりして、はたしてどれだけの影響があるのでしょうか。まあ、ないよりはましかもしれませんが。
 冒頭にリンクした前回エントリとも重複しますが、柔道は日本発祥という特殊性があると同時に、すでに世界スポーツでもあるわけです。前回エントリのiza!別冊の方にコメントとして書いたわたしの文章を再掲しておきます。

柔道が日本人の手を離れた、と解釈して、これはそんなに悪いことではないと個人的には思っています。世界中であまねく愛されているこのスポーツを考案したのはどこの誰だろう、と調べる人がいたとき、彼が日本の名前を発見するなら、それだけで素晴らしいことです。狭い「国益」を押し立てて色眼鏡で見られてしまうよりは。