産経とMSの蜜月。

MSがネット改革　利用者絞り込み独占コンテンツ-イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/infotech/73214

　ウォッチャーとしては押さえておこうかな、と。予備知識として、今のマイクロソフトはWindowsとMS Officeでがばがば金は入ってくるもののいずれ頭打ちが予想され、なんとかネットに軸足を移そうとずっと苦闘しているんだけどたいてい失敗している、という状況です。T型ががばがば売れて技術革新を怠っていたころのフォードが反面教師という感じですね。この世界に興味のない人は意外かもしれないけど、ここ10年ほど、MSは新しいものをなにも作れていません。パソコン1台で完結する世界では独占的成功をしていても、ネットの世界では（資金力を除けば）負け組状態が続いています。MSNあるいはWindows Live!といって、名前は聞いたことあるけど使ったことないなあ、という人もかなり多いのではないでしょうか。企業パブリシティのようなこの記事も、いちおうそういう状況は踏まえた上で書かれています。あと、これもわかりづらいけど、今回発表したのはMicrosoft本社ではなくて日本のマイクロソフト株式会社ですね。（「日本マイクロソフト」とかの社名ではないんです）。
　さてそうした状況で、「『MSN産経ニュースは、常識を覆すウェブ・ファーストのネット優先編集』と速報性が売りと紹介。10月からのサービスを改革のトップバッターと位置づけた」というショーン・チュウ・エクゼクティブプロデューサーの発言を見てみましょう。MSNが持っている数少ない「他にはないコンテンツ」が新聞社の記事丸ごと取り込みで*1、これがMSN毎日インタラクティブからMSN産経ニュースになるということはすでに報じられています。http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070627/1182944028 では金銭的なものと予想したんですが（たぶんそれもあるだろうと思うのですが）、もしかしたらそれ以上のこと、MSが産経新聞そのものに口を出すことまで考えていて、その点で毎日と一致しなかったのではないか、という気もしてきました。あとこの書き方だと、「産経センセイのニュースが読めるのはMSNだけ！」になる、つまりiza!廃止という可能性も、いちおうは考えてみるべきかもしれません。最近ニュースの配信が変に遅れたりするしね。関係ないかな。
　で、うーん。まあ、本気でそこまでやると企業買収って話になるし、フジサンケイグループが今のタイミングで（つまりホリエモン騒動の直後に）買収や資本参加を受け入れるとはさすがに思えないのですが、金銭以外のところで米国企業に尻尾を振りかねない、という嫌な予測もしてしまいます。だからウォッチのやりすぎには気をつけろと（ｒｙ

*1:しかし技術的な革新性はありませんね。金かけてるだけです。