黙然日記(廃墟)

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産経と儒教とジェンフリ。

韓国「夫は仕事、妻は家事」差別…教科書修正へ-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/korea/56505

 いやあびっくり。この見出しだと「韓国にまでフランクフルト学派の国際的陰謀によるジェンフリの波が!」みたいな主張かと思って読み始めたのですが、「ジェンダーフリー」のジの字もない。「ジェンダー・ギャップ解消」の文字はあって、それは肯定的に言及されています。間接的に韓国の左派政権を批判しているという深読みもできなくはありませんが、全体的には、儒教の国韓国ですら政府はこういう方針になっているが現実はまだまだ、という論調ですね。
 これはSankei Expressに掲載されたソウル支局・久保田るり子記者の記事でした。去年創刊されたこの新しい新聞は、大枠では保守派の立場を外さないし産経新聞本紙と同調する記事も多いものの、国際ニュースを重視していることと直接関係あるのか、独自記事を見るとほとんどリベラル保守な報道姿勢と言ってよさそうなぐらいの印象を受けます*1。産経で、極端な右派的報道姿勢が始まったのが20年ぐらい前、それが世間的にも目立つようになったのが10年ぐらい前というように認識しているのですが*2、それ以前に入社した記者やどこの新聞社でもいいからと入社した記者などは、全員がジェンフリ反対・靖国万歳でもないんだろうと推測できます。そうした記者の居場所がSankei Expressという位置づけなのかもしれません。ExはExで、コラムとかを見るとレベルの低さにうんざりするんですけどね。

*1:ちなみに、「産経」の名前に期待したネトウヨからは、この新聞の評判はひどく悪いようです。国際記事がふつうの客観的な論調で、いわゆる特定アジアの悪口をいちいち書かないかららしい。黒田勝弘記者も久保田記者も、実際にソウルに住んで現実を知っていてネトウヨのように脳内だけの韓国批判はしないので、彼らの方が産経に対して勝手に過剰な期待をしているだけなんですが。

*2:それ以前からおかしな姿勢はあったようだし、20年前というのも単にわたしの印象ですが、なにしろ縮刷版がないのではっきりしたことは言えません(笑)。