教育再生会議と裏教育再生会議。
とりあえず、AERA 2007年5月14日号の見出しから。
裏・教育再生会議が始動−本家に果たし状!?
http://www.excite.co.jp/News/magazine/MAG18/20070507/73/
自民党の若手衆議院議員6人(河野太郎会長・後藤田正純副会長・山内康一事務局長・上野賢一郎・橋本岳・篠田陽介)が、「マネジメントの観点からの教育再生研究会」を結成したことを報じています。「裏〜」というのも週刊誌見出しのネーミングではなく自認しているものだそうで、はっきりと本家への批判意識が現れています。正式な批判文は「世界」6月号に掲載されているようですが、こちらはまだ読んでいません。とりあえず雑誌サイトから執筆者のメッセージを。
岩波書店『世界』 第766号 執筆者からのメッセージ
http://www.iwanami.co.jp/sekai/2007/06/106msg.html
AERAの記事には、裏会議が提示した「教育再生会議への七つの疑問」が載っているので、引用しておきます。
- 科学的な検証に基づき教育問題を検証する専門家が欠けており人選に疑問
- 「学力の低下」などの問題意識の前提になる具体的なデータが欠けている
- 規範意識の低下といった問題の発生原因が明確に示されていない。ゆえに対策も唐突
- 目標設定が具体的でない。「父母を愛し、兄弟姉妹を愛し」といった目標を国家が教育を通じてどう実現するのか
- 「教育格差を生じさせない」と「分権化を最大に進める」が同時に掲げられるなど基本方針の矛盾もみられ、方向性があいまい
- 実証のない論理の飛躍
- 教育に対する過剰な期待
今まで、教育にも政治にもド素人のわたしが見ておかしいと思ったところが、ズバリと指摘されています。「(教育再生会議の)議事録を読んだ印象は教育時事放談」という指摘にも、快哉を叫びたいところです。
ついでに、AERAには安倍内閣の元で開催された会議にかかった費用の一覧もありますが、総額約1784万円のうち、教育再生会議だけで約939万円を使っているそうです。全体の半分以上、もちろんダントツで、次点は新健康フロンティア戦略賢人会議の約304万円(つーかこの会議も初耳だし日本語として崩壊したようなネーミングだし、怪しすぎる)。ちなみに拉致問題対策本部は0円です。教育再生会議は回数が多いということもあるでしょうが、都心のホテルで一泊二日の合宿形式で会議を開いたときの費用が、930万円の半分ぐらいになってるんじゃないですかね?
さて、官邸側の反応はというと。
「結果見て判断を」教育再生会議批判に官房長官-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/51018
第一次報告という結果を見ての批判なんですが、聞く耳持たんそうです。