黙然日記(廃墟)

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古森義久氏と救う会。

慰安婦問題と韓国ーー異なる見解も-ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/166984

 いつもの自分の記事宣伝ではなく、巣食う会 救う会島田洋一副会長が「現代コリア」5月号に書いたという記事の紹介です。韓国の言論は一枚岩ではなく、日本の右派と同調する発言をする人もいる、という内容で、有り体に言えば「だからなに?」という印象を受けます。古森氏や産経新聞ががさんざん「韓国は国を挙げて旧日本軍の犯罪を糾弾している」という報道を続けてきて、これが免罪符のつもりなんでしょうか。
 あと、紹介されている安教授は、強制連行ではなく貧しさからの身売りだと主張しているそうですが、古森氏にはあいかわらず、身売りは人身売買であり被害者の奴隷化であるという視点が抜けていますね。安教授が言う「貧しさからの身売り」と、古森氏がPBSテレビで主張していた「慰安婦は大金を稼いでいた」が両方とも正しいなら、前借り金をあっという間に返済して帰郷できる女性がたくさんいたはずですが、そういう例はあまり聞きません。慰安婦たちに廃業や移動の自由があったのならば、これはおかしな話です。前借り金に名を借りた奴隷制度が存在し、旧日本軍がそれに積極的に関与していたと解釈する方が妥当ではないかと思いますが、どうでしょう。
 巣食う会 救う会の名前が出ているのも気になるところです。たまたまそういう肩書きの人がたまたま韓国の言論事情に詳しく、古森氏とワシントンで会ったときにたまたまそういう話をした、ということなのでしょうが、北朝鮮による人権侵害に立ち向かっているはずの人が朝鮮人女性*1への人権侵害に無神経だというのも、解せない話です。

*1:ものすごく当たり前のことを説明しますが、日本領時代の朝鮮は、今の韓国と北朝鮮を含みます。