産経と日系米国人。

日系人招聘プログラムで慰安婦問題も議論　日米微妙な食い違い-イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/48183

　取り上げるのが少し遅れましたが、カリフォルニア州のアルバート・ムラツチ司法副長官へのインタビュー記事が、なかなか興味深かったです。
　米国社会において、特に三世四世にもなると、日系人も中国系・韓国系もなく“アジア系”と自覚している（せざるをえない）、たとえば自分の選挙スタッフも中国・韓国系米国人だ、とムラツチ氏は述べています。日本から観察していても、そうだろうなと思うところです。

【主張】米大学乱射　アジア系への偏見も心配-イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/48279/

　今日の産経「主張」も、銃乱射事件での容疑者が韓国系であることを取り上げて、日系・中国系にも“アジア系”として偏見が及ぶことを恐れていますね。こういう個人的な事情で起きたらしい事件を人種偏見と結びつける社会風潮は許せないものがありますが、それはまたちょっと違った話で、“アジア系”という認識が一般化しているというところがここでのポイントです。

　さて。カリフォルニア州選出の日系三世政治家であるマイク・ホンダ氏について、産経新聞、特に古森義久記者は、中国系米国人団体との関係が深すぎるとして、たいへん強く非難しています。ホンダ氏とムラツチ氏でもちろん個々の事情は違うはずですが、アジア系米国人政治家はアジア系米国人の支持を受けているという状況を一方で報じておいて、ホンダ氏を同じ理由で非難するのは、まったく解せないところです。