黙然日記(廃墟)

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産経「正論」の開戦観。

【正論】真珠湾への道 日米開戦65年(1)京都大学教授・中西寛-コラむニュース:イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/seiron/29810/
(対米開戦決定の)最大の要因は2カ月前に行われた南部仏印進駐とそれに対するアメリカの石油禁輸措置だったわけだが(中略)、南部仏印への進出に伴うアメリカの制裁強化は予想不可能な事態ではなかった。しかし(中略)、日米交渉で妥協を見せないアメリカへのいらだちの高まりもあって、安易に南部仏印進駐を決めてしまったのである。よく言われるように「じり貧」状態に嫌けがさして「どか貧」を覚悟して進めたのが対米開戦であり、結果はまさにその通りになった。

 「正論」メンバーに限らず、この認識は近現代史の常識だと思いますが、制裁強化が対象国の暴発に繋がることはわかっていて、なんでブッシュ政権北朝鮮への強硬姿勢を続け、「正論」はそれを支持するんでしょうね。太陽政策などの柔軟路線批判は「それが無効だった」という根拠でされることが多いのですが、他が柔軟路線でも(たとえば日米開戦当時のソ連。破棄する機会を狙っていたとしても、1941年時点では不可侵条約は守られていたわけで)、一ヶ所が突出すればそれに対抗措置を執られるのは当たり前だと思うのですが。
 と思いながら読み進めていたら、この結論。

必死に戦うことによって、敵同士は理解を深めることもあるのである。アメリカは日本に勝つために必死に日本を研究したし、日本は敗戦後、アメリカから学ぶことをためらわなかった。その意味で、真珠湾は日米同盟に向かう重要な礎石としての意味ももっていたのである。

 ……61年前はそうだったかもしれませんけどね。3年前はどうだったでしょうね。