さよならエー・アイ・ソフト、そしてバックス。
ITmedia News:エプソン販売、エー・アイ・ソフトを吸収
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0609/29/news078.html
ついでに小ネタ。今はもうツール類で細々とやってた感じですが、DOS〜Win3.1まではかなりぶいぶい言わせてたブランドなんですよ。特に日本語入力FEP(今で言う日本語IME)のWXシリーズは強力で、後発ながら単独製品のFEPとしてはあっという間に定番の地位を築いてしまいました。その理由のひとつに、早い時期からWXPという名前で試用版をフリーで配布したのが大きかったんじゃないかと。当時としては、ここまで高度かつ常用するツールがフリーで配布されるなんてことは考えられなかったので、かなりユーザも多かったと思います。EPSON版のMS-DOSにも正式版*1がバンドルされていたから、そっちのユーザもそれなりにいたと思うし。あと、当時はATOKとVJEと松茸とFIXERとDFJと、みんな操作性が違い対応アプリケーションが違う上にそれを変えられなかったのですが、WXはいちはやくカスタマイズに対応して、他製品のユーザを取り込むことができたんですね。Win3.0への対応も早かったと記憶しています。
現在、いちばんユーザが多いのはMS-IMEだと思いますが、当時はどうなっていたかというと、MSはIMEを開発しておらず、外部からのOEM供給でした。そのOEM元がエー・アイ・ソフトで、初期のMS-IMEはWXそのまんまだったんですよ。MS-IME95ぐらいまではほとんど変わらなかったと思います。その後はたぶんソースを買い取って独自に開発していると思いますが。まあ、MSのこういうやり方は昔からなんですけどね。MS-CもLattice-CのOEMだったし。このへんはだいぶ前に、keyword:黒歴史::コンピュータに書きましたが。これを見ている人でもMS-IMEのユーザは多いと思いますが、その基礎を作ったのがエー・アイ・ソフトだったことを、ちょっと覚えていてあげてください。
と書いてから、ふと気になってATOK・松茸・WXと並び称された、というか日本語入力FEPの元祖であるVJEはどうなっているのかと思ってサイトを見てみたら。
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http://www.vacs.co.jp/
2006年8月4日更新
弊社はすべての事業を停止し、会社を休眠化することになりました。
……。そうだったのか。
*1:これも製品版に比べるとサブセットだったかな?