黙然日記(廃墟)

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THE ORIGINの謎。

 ちょっと本を片づけてたら「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」1〜12まで揃ってしまって(揃えて買ってるんだから当たり前なんだけど、10冊以上並べて置いてあることってうちでは本当に珍しいので)、12巻で開戦したあたりを読んだ直後だったのでその後に来るはずの1巻をチェックし始めたら止まらなくてって、せめてジャブロー編までとか思ってるうちに通して再読してしまった。怖い作品ですね。ちなみに後で調べてみたら(ていうかよく読めばイントロに説明があるんだけど)、開戦からガンダム始動まで8ヶ月以上かかってるのね。連載も今はルウム編をやってるらしいし、まだまだってことか。
 でまあそういう怖ろしい作品なんだけど、改めて読んでみたらちょっと気になる部分があったのでいくつかメモ代わりに書いておきます。

なぜガンダムが何度も出撃してるのか
サイド7からジャブローまでガンダムを無事に運ぶことがホワイトベースの最大の使命だったはずで、いくら戦力がないからって、素人のパイロットを(ときには単機で)前線に出すか? まあこれでもテレビに比べたらだいぶマシになってるはずですが。
セイラとシャア
セイラが捕虜に対して赤い彗星のことを訊ねたとしてスパイの疑いを受けていますが、セイラ・マスはジオン士官学校に入った「シャア・アズナブル」とはテキサスコロニーでの友人だったわけで、消息が気になるのは当たり前。堂々と説明すればよかったのでは? まあ、そういう言い訳をしないあたりがセイラさんだと言えばそうなんですが。
ミライはどこまで知ってるのか
シャア・セイラ編で、事情を知った上で二人がテキサスコロニーに移住するのを助けたのはシュウ・ヤシマであることが描かれていますが、ミライ・ヤシマはそのとき秘書として働いていたわけで。ダイクンの娘がセイラ・マスを名乗っていること、金髪おかっぱの少女であることなどは把握していたはずですね。ホワイトベースで再会したときのことは描かれていないようですが、はたして気づいていないのかなんなのか。また上記の件と関連しますが、ヤシマ家が所有するテキサスコロニーの有力者であるアズナブル家のシャアが赤い彗星であることについても、知らないのかどうか。

 このへんについては、前半を描いてる時点で作者はシャア・セイラ編を描くつもりはなくて、いろいろ後付け設定みたいなことになっちゃってるのかもしれませんが。アムロとセイラが宇宙港ですれ違うシーンもありますが、これはお互い記憶に残らないだろうし、まあお遊びとして面白いんだけど、ミライがセイラのことを知っちゃってるというのは構成上の失敗だったんじゃないかな。だいたい(単行本が出たときここでも触れたような気がするけど)シャアとエドワウの入れ替わりなんかもかなり不自然だしねえ。

デギン・ザビのモデル
疑問というわけではないけど、気づいたことととして。ギレンのモデルの一部がアドルフ・ヒットラーであることは言うまでもないのですが、デギン昭和天皇をイメージして描いているのかなあ、とちょっと思いました。実権のない王として、口では戦争反対を言いながら強硬派を止めることができず戦争になだれ込んでしまったというあたりが。
ジオンの地球占領
「THE ORIGIN」に限らず以前からの疑問だったんですが、なぜスペースノイドの自立を叫ぶ独立戦争の過程で、ジオン軍が地球を広範囲に占領しているのか。連邦を叩いて宇宙に出てこられない=スペースノイドに干渉できないようにするだけで、目的は達せられると思うのですが。占領の負担って相当なもんだと思うけどなあ。さらにいえば、陸戦用はまだしもなぜ水中用モビルスーツなんてものを開発する必要があったのか……。