黙然日記(廃墟)

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歴史認識。

本宮氏の漫画休載 不適切な表現抗議に集英社産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041013-00000036-san-soci

 本宮ひろ志が今やっている連載で南京大虐殺を取り上げたとき、資料の扱いが「不適切」だったということで連載中断に追い込まれたというニュース。あえて産経のヘッドラインを引用してみた。
 歴史上の史料を取り扱うときに注意が必要なのは当然だし、まして紛争と言っていい議論になっている問題になっているのだからそのことを認識した上で扱うべきだったろうと思うが、こういう抗議で作品が中断されるという事態を哀しく思う。わたしがこの問題でどちらの立場に汲みするかを別にしても、表現が抹殺されるという事態そのものは憂うべきだ。
 そういえば、こないださんざん悪口を書いた映画「DEVILMAN」*1に関して似たような話がある。ダビデの星のシンボルを悪魔狩りの象徴として使っており、その使い方が史実に照らしてあまりに無神経だという話だ。もちろん該当の場面を観ていないので何とも言えないが、たとえどんなにくだらなくて史上最悪の映画で原作を果てしなく貶める存在で映画とすら呼べないような代物だろうと、いちおうは作品として生み出されたものが政治的などの理由によって抹殺されるのは耐えられない。「DEVILMAN」が上映打ち切りになるならそれは中身の最低さやあまりの不人気によるべきで、政治的な抗議で打ち切られるのは違うのではないか。
 次にダビデの星を貼られるのは、あなたの家かもしれないのだ。

*1:あれを「デビルマン」だと認めたくないのであえてこちらのタイトルで書いておく。