黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「主張」、覆される。

10代へ「タミフル」処方中止 異常行動さらに2件-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/life/health/44173

 やはりこうなりましたか。因果関係がわからなくても、統計的におかしなことが起きていれば、処方中止なりの対策を取るのは当然のことでしょうね。
 さて、関連記事にも挙げられている、3月2日付の産経「主張」(社説)をじっくり味わってください。

【主張】タミフル 冷静な対応で有効活用を-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/shuchou/41449/

 iza!の関連記事ってキーワードだけで自動的にピックアップされているんだろうけど、産経みたいにアホな記事ばかり垂れ流しているメディアがこれをやると、次から次へと恥を掻くことになりますね。いや、こういう仕組み自体はユーザとしては大変ありがたいので、産経がアホな記事を書くのをやめれば解決する話なんですけど。無理か。
 タミフルや副作用そのものには実はあまり興味がなくて、なんでこんなアホな「主張」が書かれたかという背後関係の方がずっと気になっているんですが、今回の厚労省の判断を受けた「主張」なり解説記事なりが出てこないかぎり、真相はわからないままかもなあ。

視点を変えてみる。

産経抄】3月21日
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/sankeishou/44186/
事件から30年後、Aは被害者の母親にかけた電話で「なんでおれが謝るんだ」と言い放つ。

 地下鉄サリン事件12年に絡めて、犯罪被害者の心情を訴えています。たしかにこのA(殺人事件を犯した元少年)の発言はひどい。しかし産経抄そのものはあまり面白くなくて、最終段落の偉そうな態度がどうなのよ、ぐらいのところです(抄子は被害者の気持ちが本当にわかるのか?)。
 ここまでは前フリ。産経抄に毎日ツッコミを入れ続ける2ちゃんねるのスレがあるんですが、素晴らしい書き込みがあったのでそれを紹介します。

産経抄』ファンクラブ第76集
http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1173517007/572
572 名前:文責・名無しさん [] 投稿日:2007/03/21(水) 09:53:00 ID ShXPjA/e0
「われわれはいつまで頭を下げ続けなくてはならないのか」 
と、加害者に開き直られたら頭にくる、ということだけはよくわかった。 


 似たようなネタですが、「美しい壺日記」さんの記事も面白かったので紹介させてください。

◆ 美しい壺日記 ◆ 【安倍】従軍慰安婦問題【アホ】
http://dj19.blog86.fc2.com/blog-entry-41.html

しかし、こいつらって日本が被害国である拉致事件を「歴史捏造主義者」の論理で否定されたら許せるんだろか? 

↓例えばこんな感じで 
◯金正日の「(拉致)は特殊機関の一部が妄動主義、英雄主義に走って起こした」発言から分かるように北朝鮮政府は拉致をしていない 
◯拉致したことを証明する公文書は一切存在しない 
◯北朝鮮で高額な給料をもらい裕福なくらしをし結婚までしていたのだから拉致ではない 
◯拉致被害者の数が毎年増え、いつのまにか10倍に増えているのはおかしい 
◯拉致被害者と言われている方の証言内容に不明な点が多く証拠にはならない 
◯当時の工作船には朝鮮半島まで戻る技術はなかった 
◯日本が主張する拉致被害者の姿がどこにも見当たらない 
◯当時は楽園と呼ばれていたので、日本人達は自分の意思で北朝鮮に来た 
◯拉致事件はCIAと公安の陰謀によるでっち上げである 

こういう大嘘が被害にあった国の国民感情を煽ってることぐらい気付けよ! 

古森義久氏、陰謀論を唱える。

慰安婦」から「南京」へーー抗日連合会の触手 文藝春秋から
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/137462

 テッド・レオンシス氏製作の映画『南京』に関する産経新聞の第一報が*1レイプ・オブ・南京』が原作であるかのように吹聴したことを、古森氏はいまだに撤回する気がないようです。というか、今でもそれが正しいと信じ込んでいるのかもしれません。間違ったとわかってからここまで詭弁を弄するのは、まともな感覚の人間だったら考えられませんから。

 文藝春秋4月号に掲載されたというこの古森氏の記事は、まずおおざっぱな背景説明のあと、記者会見でレオンシス氏が述べた「南京事件のことを知ったのは偶然『レイプ・〜』を読んだから」というようなコメントを引用してから、しかし『レイプ・〜』はこんなにひどい本である、と(古森氏の主観で)並べ立てます。

(『レイプ・〜』では)中国の民間人合計三十万以上、あるいは三十五万が日本軍によって殺されたとし(中略)
(映画『南京』では)犠牲者の数が二十万人とされてはいるが、これだけでも基本的には『レイプ・オブ・南京』の記述や中国側の主張が映画の土台であることがわかる。

 これだけでも基本的には、『レイプ・〜』そのものではないことがわかるわけですが。チャン氏の本は、レオンシス氏が映画製作を思い立ったきっかけであって、そのあと独自に調べ直しているということが、つまり映画『南京』は『レイプ・〜』を土台にしていないということが、この古森氏の文章からでもはっきり読みとれます。チャン氏は、犠牲者二十万人説を唱えたわけではないのですから。
 えーとつまりですね。たとえばわたしの世代は、太平洋戦争のことを“自虐史観の偏向教科書”で知りました。しかしそれはきっかけであって、独自に調べ直して自慰史観に転向する人もいるわけです。その是非はともかくとして、自慰史観の論者に「あなたの書いた太平洋戦争の本は自虐史観教科書を土台にしているはずだ」と言ったら、かなり怒るんじゃないでしょうか。
 こんなに話をねじ曲げてまで、この映画がチャン氏の本を元にしていると訴えるのは、どういうつもりなんでしょうか。冒頭で述べたような最初の間違いを、意地でも認めたくないだけ、としか思えないのですが。

 記事の後半では、世界抗日戦争史実維護連合会という“中国政府に繋がる反日組織”が、いかにあちこちに魔の手を伸ばしているかを延々と説明しています。

このように南京事件ドキュメンタリー映画一つを追ってみても、すぐにこうした中国系の反日団体にぶつかるのである。

 なんというか、ユダヤ陰謀説に似てきましたね。個人的には、安倍壺三やら山谷えり子やら産経新聞やらを追ってみると、すぐに日本会議勝共連合統一協会)にぶつかるのと似たような印象も受けるのですが、これについて古森さんはどう思うんでしょう。

 ついでに。

AOLの副会長テッド・レオンシス氏である。彼が制作に私財二百万ドルを投入したという。

 あんまり関係ないんだけど、この文章を見てふと思い出しました。日本でもメディア企業の経営者が、私財2億円を投入して南京事件ドキュメンタリー映画を作るとか言っていますな。古森さん、こちらの背後関係も調査してくれませんかね? *2

*1: id:pr3:20070125:1169721821 とか参照。これは山本秀也記者の記事なのですが、だとするとやはり古森氏の影響が見え隠れするなあ。

*2: id:pr3:20070319:1174264344