黙然日記(廃墟)

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産経抄、失わせ、失う。

産経抄】日本を貶める日本人をあぶりだせ 10月19日 - 産経ニュース
http://www.sankei.com/column/print/171019/clm1710190003-c.html

 コメント欄でid:pipisanさんも「記録すべき」とおっしゃっていたし、Twitterでも炎上していて、とにかくこれはひどいとしか言えませんが。
 パナマ文書問題で政治家を追及していたマルタ共和国のジャーナリストが爆殺された事件を聞いて、第一声が《日本の新聞記者でよかった》。
 
 ちょっと、言葉が続かないんですが。
 
 少し読み進めると、報道の自由ランキングで日本の評価がマルタより低いのは、時刻を貶める一部メディアのせいだ、と続きます。
 他社をdisることばかりに熱心で、まともに報道をしない大手メディアの存在も、この評価の一因ではないのですか。冗談抜きで、記者クラブ制度の存在が低評価の主要因なのは衆目の一致するところで、そこに安住している産経新聞に、大きな責任があるのは間違いありません。
 ニューヨーク・タイムズなどの海外各紙も、(党派を問わず)自国政権の批判ばかりしていますが、それには知らんぷりして、自国のメディアをdisる産経こそ、自虐メディアです。日本の大学教授がNYTの論調に合わせて日本政治について寄稿したことを、まるで売国コウイカのように書いていますが、米国の大学教授(ジェームズ・E・アワー氏)が産経新聞の論調に合わせた記事を書くことには、なんの羞恥心もないようです。NYTの該当記事を読んで、米国読者が「日本では民主主義が交代している」と観じたとして、なんの問題がありましょう。事実そのものです。一党独裁の深化が民主主義の進歩だと考えているなら、産経抄子は小学校からやり直してきてください。
 最後はユネスコの世界記憶遺産登録で、コラムの主旨がまったくわかりません。いや、あんな書き出しを刷るコラムに首尾一貫した主張があると思うのもどうかしていますし、「産経新聞」にはあらゆる意味でジャーナリズムの資格がないことだけは如実に理解できました。