黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「正論」の政教分離観。

【正論】政教分離主義への固執は災害からの精神的復興を妨げる 東京大学名誉教授・小堀桂一郎 - 産経ニュース
http://www.sankei.com/column/print/160919/clm1609190009-c.html

 これ、見出しだけで筆者名も隠したら、「全国紙に『正論』として載ったものだ」と当てられる人は少ないでしょうね。産経新聞と「正論」欄の愛読者でないかぎり。
 内容を読んだらさらに、掲載元や筆者の肩書きを当てられる人は少なくなるでしょう。「右翼の同人誌に掲載されたもの?」と思う人がおそらく大半で、ある意味当たっています。なにしろいきなり、人権思想と平和主義が人類共通の価値観であることから否定するのですから、。日本国憲法前文がつぎはぎであることは否定しませんが、人類が培ってきた各種思想の1946年時点での集大成として書かれたものですから、当然です。それは「刑法典が過去の犯罪処罰規定のつぎはぎだ」と言っているようなもので、とんちんかんにもほどがあります。「正論」メンバーの大好きな大日本帝国憲法だって、各種欽定憲法のつぎはぎです。
 さて政教分離。大震災からの復興に、神社仏閣を公金支出の対象から外すな、地域の精神的支柱であるからだ、というのは、一定の理はあります。しかし、そのために大原則である政教分離をなくせ、というのは、無茶苦茶です。小堀氏はどうやら、政教分離が米国から押し付けら得た日本国憲法固有のものと信じている(もしくはそう信じさせようとしている)のですが、米国でもどこでも(英国は別かな)、政教分離は当たり前の原則です。つか、日本をカルト国家にしようと企むのはやめなさい。