黙然日記(廃墟)

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産経抄とチューインガム。

産経抄憲法のために国家がある? 3月30日
http://www.sankei.com/column/print/160330/clm1603300002-c.html

 戦前の帝国憲法下における統帥権干犯問題を持ち出して、野党による憲法護持の動きがかえって国を滅ぼす、と主張しています。あのね、統帥権干犯事件から学ぶべきことは、「軍部の独走に繋がることは一切許してはならない」でしょう。本当に、産経の屁理屈は噛み終えたガムのようにどこにでもくっつきます。
 井上成美が戦後、「憲法のために国家があるんじゃない」とつぶやいたことを押し立てていますが、それがなんで絶対的に正しいと、現在の憲法学者の解釈より海軍提督の生き残りの述懐が正しいと言えるのですか? たしかに、(民主)国家成立のために作り出された道具が憲法ですが、それはつまり、憲法が規定することにより国家が成立する、国家は憲法に縛られるということです。では憲法を縛るのはなにかというと、それは主権者国民の総意です。まあ、国家のために国民がいると思っている、民主主義国家の新聞とは思えない産経には通じない話でしょう。噛み終えたガムを包むぐらいしか役に立たない新聞です。