ロケットとミサイルの区別がつかない産経と各メディア。
【北ミサイル発射】社民党談話は「ロケット発射」?! 又市幹事長「いたずらに『北朝鮮の脅威』あおるな」
http://www.sankei.com/politics/print/160207/plt1602070042-c.html
――はあ。ええと、うん、そうです。ロケットですけど、なにか。
もうほんとに、日本のメディアにうんざりするのは、日本政府が敵視政策をとって「事実上のミサイル」と決めつけているからといって、それになにも考えず服従しなければならないと思い込んでいるところです。海外メディアは「ロケット」と報じていますよ。北朝鮮は、本気で人工衛星を打ち上げる気でした(いくら難しい準天頂軌道とはいえ4回連続失敗はどうかと思うし、失敗してる臭いのに「成功」と発表するところはお笑いぐさですが)。それなのに、各メディアのこの態度。まさか本気で、弾道ミサイルと人工衛星打ち上げ用ロケットの区別がつかないわけではありますまい。ミサイル実験が明確に禁止されているから、人工衛星打ち上げでロケット技術のテストをしているわけです。もっとも、安保理決議は「弾道ミサイルに繋がる技術」を禁止しているので、これも決議違反には違いありません。それを無視して強行した北朝鮮への非難はあり得ますが、いちおう人工衛星打ち上げであるという事実は認めるべきでしょう。北朝鮮にも宇宙空間を平和利用する権利はあります。ただ、そこへ運搬する技術を法的に禁止されているというだけです。これは、国際法上は集団的自衛権を保有していても国内法(憲法)で禁止する、というのと同じで、わかりやすい理屈です。
まあそんなわけで、「あれはミサイル! ロケットと呼ぶ奴は非国民! なぜならお上がそう言っているから!!」というヒステリックな姿勢を産経は見せているわけですが、まあいつものことですから、ほっとくしかありません。問題は、全マスメディアが似たような姿勢を取っていることです。非常に不愉快だし、不安でもあります。