黙然日記(廃墟)

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産経論説委員の軍人観。他。

 7/20分です。走馬燈(走馬灯)というのは玩具の一種で、ロウソクの上昇気流を回転運動に変えて、紙を切り抜いた馬などの影を走らせるものです。まだ映画もないか珍しかった時代に楽しまれた、幻燈の一種ですね。作り方にもよると思いますが、動きはけっこう速いです。
 この走馬燈そのものが忘れられて、「走馬燈のように」という表現だけ残ってしまったので、生命が危機に瀕した瞬間に見るという幻覚そのものを走馬燈と呼ぶのだ、という誤解が一部にあるようです。あくまで「走馬燈のようにこれまでの人生が見える」です。
 ちなみに、危険を察知したときなぜ走馬燈のようなものが見えるかというと、いままでの人生の中からこの事態に対処できるパターンはなかったか、と一気に検索するためだ、という仮説があるようです。信憑性については責任持ちません。

【日曜に書く】論説委員・中静敬一郎 日豪和解を促す武人への敬意+(1/4ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140720/plc14072003050004-n1.htm

 産経は、というより、中静元論説委員長は、こういう世界観が好きですね。軍人を聖人視し、訓練と規律を身につけた軍人同士は価値観を共有するので恩讐を越えて世界市民のごとく理解し合える、だからお前ら市民は軍人にひれ伏せ、というものです。オーストラリアが戦時中のシドニー港攻撃に感銘を受けたとか、適当なことを強調していますが、ルール無視の宣戦布告なし攻撃に礼を尽くして応ずるという、一種の嫌味にしか見えません。オーストラリアの対日市民感情は戦後しばらく最悪であったことは周知のとおり、いちおうこのコラムにも触れられているとおりです。あるいは、軍人が礼を尽くしてくれるからといって、市民感情を無視して布告なし攻撃を忘れてでかいツラなどできない、ということは、戦後日本人として肝に銘ずるべきです。わたしたちは軍人ではなく市民です。軍人の価値観に自分を同一視できる人とは違うのです。

【主張】熱中症 必要時の冷房遠慮するな+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140720/bdy14072003060001-n1.htm

 暑くなる季節です。連日30℃越え、35℃越えが予想されますが、「適切に冷房を使いましょう」と気象庁も呼びかけています。毎年言っていますが、設定温度は30℃がお勧め。少し汗ばむぐらいですが、低温のせいで体調を崩すこともなく、熱中症で死ぬ危険も避けられます。もちろん、水分と塩分の補給も必要です。塩分が意外と見落としがちで、水分を大量に過剰に補給しているのに塩分が足りないと、簡単に痙攣が起きるのでびっくりします。ゼロカロリーのスポーツドリンクがほしいですね(なんで粉末の製品がないんだろう?)。
 そんなわけで、産経「主張」もおおむね間違ってはいないのですが、表題および《節電の呼びかけに遠慮などせず、エアコンを》という部分が、痛い。痛すぎます。電力を大量消費させて大規模停電を起こし、「そらみろ原発が必要だ」と言いたいだけなのが目に見えています。節電しましょう。設定は30℃。この、原発ゼロの猛暑をなんとか乗り切ってみませんか。