黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の法律維持観。

 7/18分です。カーニバル(謝肉祭)は春分後の復活祭に備えるものなので、だいたい2月の行事ですね。南米では真夏ですが、北半球では冬のお祭りです。なんか日本では夏のお祭りという印象が強いようで、各地のサンバカーニバルのたぐいは夏の開催ですし、「雪のカーニバル」と聞くとオーストラリアあたりの「サンタがサーフボードに乗ってやってくる」みたいな印象を受けてしまうのですが。

【主張】最高裁DNA判決 法律婚重視の判断妥当だ+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140718/trl14071803150001-n1.htm

 民法の父子判定には、DNA型はおろか血液型さえ取り入れていません。1898年制定の旧民法が1900年発見のABO式血液型を想定していなかったのはしかたないとして*1、その後の科学の進歩を取り入れることを怠ってきた立法の責任は無視できません。そうした、時代に即さないものになっている民法の規定に疑問を挟まず、最高裁がそれを墨守する判決を出したところが問題なのですが、産経「主張」は《血縁関係のみを優先して親子関係を規定するなら、それは鳥獣も同然だ》と言い切ってしまいました。法秩序を重視する、といいますが、あきらかに父子でないことがわかっていながら法律上の父子関係を強制される苦痛について、わずかでも自分のものとして考えてみる想像力は働かなかったのでしょうか。長期間別居しながら夫側の一存で離婚を拒否し、その間に妻(女性)側が他の男性との間で妊娠するようなケースで法律婚の維持を最優先にする理屈がわかりません。民法は、市民生活の幸福のためにあるのではないでしょうか。自称保守派の、人間より抽象概念を優先させる姿勢には恐るべきものがあります。

*1:血液型というのは、こういうときに使うものです。