黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の法制局観。

 黙祷。

【主張】集団的自衛権 「不退転」で行使容認急げ 日米安保体制の強化優先を - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130809/plc13080903320008-n1.htm

 6日の広島慰霊の日に続いて、今日9日の長崎慰霊の日にも、産経「主張」は集団的自衛権のテーマをぶつけてきました。こうなると、わざとやっているとしか思えません。「わざと」というのは嫌がらせに限らず、もしかしたら善意である可能性もあります。もしかしたら、産経は集団的自衛権が日本国に恒久平和をもたらすと、本気で思っているのではないでしょうか。いや、「もしかしたら」ですよ。いくらなんでもそんな……いや、まさか、ね。
 今回の内容は、内閣法制局の前例主義への批判です。いままでの法制局解釈が「集団的自衛権保有しているが行使できない」というものだったことを踏まえ続けようとする(であろう)ことを批判し、外部からの新長官就任という安倍晋三内閣の荒っぽい手法によって、憲法解釈を変えることを期待しています。たしかに、お役所の先例主義は改められるべきです。しかし、法律の解釈というものはそんなに簡単なことでしょうか。元の法律(憲法)が変わっていない以上、そこから導き出される結論も、そう簡単に変わるものではないはずです。時の政策によって簡単に変わるのだったら、法制局の存在意義はありません。上記の憲法解釈を維持し続けてきた法制局に対する産経の憎しみを想定することもできますが、もしかしたら本当に善意と無知に基づいて「憲法解釈は簡単に変えられる」と思いこんでいる……まさかいやそんな。でもしかし。