黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の農業参入観。

【主張】企業の農業参入 改革加速の切り札とせよ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130617/biz13061703080001-n1.htm

 民間企業が手がければなんでもうまくいく、という、中曽根康弘政権以来の民活信仰です。30年前の当時から言われながら農業改革が彼らの思うとおりに進んでいないのは、抵抗が大きいこともあるでしょうが、水田農業の特殊性に根本的な要因があります。労働集約化して、八十八回手をかけてお米を育てなければならないという宿命が日本農業にはあります。日本人があのもっちりとした炊きたてのうるち米の食感を忘れないかぎり、この宿命からは逃れられません。
 TPP参加と異業種参入を組み合わせる発想は、要するに米国式の粗放農業を日本に持ち込んで儲けよう、ということですが、それがそもそも成り立つのか、農業の質向上に結びつくのかという疑念を、この産経「主張」は提示できていません。永久に無理でしょう、米国の顔だけ見て物を言っているようでは。