黙然日記(廃墟)

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産経副委員長の女性観。他。

【風を読む】論説副委員長・西田令一 女にも強面通した鉄の女 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130423/erp13042307480002-n1.htm

 大々的にサッチャー氏追悼記事を並べた産経の紙面をすべて読んだわけではありませんし、西田記者の評伝がどのようなものだったか覚えていませんが、結果的にサッチャー氏が女性であることに触れない評伝になっていたそうです。保守的な社会で女性としてのし上がってきたことは、良かれ悪しかれサッチャー氏の大きな特質であり、そこに触れずに評伝を書けるものなのか、書いたとしたらずいぶんいびつなものになっていたのではないかと想像します。当然ながら産経のサッチャー氏評伝となれば十割が絶賛で埋め尽くされていたでしょうから、褒めるときには女であることを忘れる、ということなのでしょうか。
 「サッチャー氏が一部フェミニストを嫌っていた」という話は、「右派のサッチャー氏が左派のフェミニストを嫌っていた」と書き換えればあたりまえの話で、日本の現役女性右派政治家も“伝統的家族観”などを振りかざして、フェミニズムをすべてマルクス主義の分派であるかのように言い立てているのを見かけます。評伝に女性という視点を書き落としていたごとく、西田記者はこの記事でも右派左派という視点を書き落としているのですが、これは意図的なものでしょうか。産経記者は、支持する右派政治家が右派として左派を攻撃することを認めたがらない傾向があるように思います。つまり自分の支持する政治家は常に中立公正であって、イデオロギー性で行動することはないのだと言い張りたがります。この西田記者の記事も、同じ弊に陥っているのではないでしょうか。
 どうでもいいけど冒頭、《突然の死を受けて》というところも気になります。「突然の死」という表現は、予想外の若さなどを含意していませんか。87歳といえばまあ、天寿を全うしたと言えるのではないでしょうか。近年は療養のため表舞台に出てきていなかったとはいえ、それで存在を忘れていたというだけで「突然」扱いは、失礼極まりないと思います。

【主張】靖国と韓国 外相の訪日中止は残念だ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130423/plc13042303120004-n1.htm

 違憲政権である安倍晋三首相の靖国神社への真榊奉納や麻生太郎副首相らの参拝に対して、韓国が抗議して外相訪日をキャンセルしてきました。北朝鮮情勢を含め、北東アジアが非常に重要な情勢にあり、日韓の連携が強く求められるこの時期に、なぜわざわざ火種を落とすのか、理解に苦しむと同時に、怒りの感情を覚えざるを得ません。靖国参拝と日韓会談、どちらが国益になると思っての行動でしょうか。《戦死者の霊が靖国神社にまつられ、その霊に国民が祈りをささげるのは日本の文化であり、伝統だ》ではありません。そんな“伝統”があるとしても数十年のものです。戦死者の御霊に祈りを捧げる文化に、韓国は文句をつけているのではありません。それがA級戦犯を合祀した靖国神社であることにクレームが来ているのを、産経は話をすり替えようとしているだけです。