黙然日記(廃墟)

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産経「主張」のイラク戦争観。他。

【主張】イラク開戦10年 完全復興へ関与を続けよ+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130320/plc13032003500006-n1.htm

 冒頭から《ブッシュ前米政権がサダム・フセイン独裁政権の打倒を掲げ、英国などとともに踏み切ったイラク戦争》。嘘をつくだろうとは思っていましたが、1行目からここまで堂々と嘘をつくとは思っていませんでした。中ほどで《ブッシュ政権が開戦理由としたフセイン政権による「大量破壊兵器保有」の根拠が崩れた》とは書いていますが、その責任を問おうとはしていません。結果的に民主国家になったからよい、というのなら、産経新聞は「東京裁判史観」を全面的に受け入れるべきです*1
 日本が戦後のイラクに経済貢献していることを強調するのはよいのですが、その日米協力を「日米同盟」にすり替えて賞賛し、同盟強化を言っているのもいただけません。日本を軍事的にイラクに関与させ、ひいては日本の軍事面を強化しようという意図があからさまです。軍事以外にも、日本にはできることがたくさんあるのです。
 なんにせよ、虚偽の理由で始まったイラク戦争十年を迎えて、産経「主張」がなにひとつ反省せず、自らと米国ブッシュ政権の独善を是としていることが明らかになった一文でした。読む前からわかっていたことではありますがね。

【言(こと)のついでに】論説委員・清湖口敏 「道徳」教科化への曙光 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130320/edc13032003430000-n1.htm

 《いえいえ、一部の新聞はともかく産経新聞は、「修身科」の真の復活をどれだけ待ち望んできたことでしょう》という結語にすべてが要約されています。これは名コラムニストであった山本夏彦の文章に反応したものですが、山本が産経(サンケイ)を新聞扱いしていなかったことがわかる、微笑ましいやりとりです。産経新聞安倍晋三首相が修身の復活に目の色を変えている有様は見苦しく、およそ子供たちの手本にはしたくない代物ですね。

*1:それぞれの戦争の発端を考えるなら、仕掛けた側の責任が問われるべきです。もちろんコミンテルンの陰謀論などではなく。