産経「主張」、政党間ダブスタ。他。

【主張】日銀総裁人事　速やかに国会での同意を - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130227/plc13022703490005-n1.htm

　日銀総裁人事がどうなるのか、そう簡単に挙国体制になるのもつまらないので一悶着ぐらいはしてほしいものですが、落としどころというのは各党とも見えているかと思います。それは踏まえた上で、一悶着すら許さないというのが産経「主張」の姿勢です。そこで野党に注文をつけているのですが、《無論、全会一致で同意せよ、といっているわけではない》として、「脱官僚」を掲げるみんなの党には《そういう判断もあるだろう》と、たいへん甘いリアクションを示しています。一方で民主党には、事前報道されたことで抵抗すべきという意見があるのに対して、非常に激しく反発しています。事前報道禁止ルールは撤廃され、内閣からの情報漏洩を問題にしているだけですから、民主党は徹底反対というわけでもなさそうなのに、徹底反対のみんなの党とは扱いが大きく違います。反対理由に依るものだとしたら、みんなの党と同じく民主党内にも、少数ですが官僚OBは反対という意見があります（産経「主張」はおそらく意図的に書かずにいますが）。この扱いの違いはなんのなのか、民主党が参院野党第一党というだけの理由なのでしょうか。それなら第一党としての自覚を求める文章が入りそうなものです。ここに、私怨とも言うべき民主党への憎しみを感じ取るのは、わたしだけでしょうか。

【主張】教育再生　「熱血先生」の手足縛るな - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130227/edc13022703310002-n1.htm

　「教育再生」という言葉が大好きのようですが、体罰横行まで「再生」する気でしょうか。第一次安倍晋三内閣が“改正”した学校教育法でさえ、体罰禁止条項はそのままでした。この「主張」は、「熱血指導」の名の元に体罰を行わせろと主張しているようにしか読めません。体罰問題で自殺者を出した部活動顧問教諭は「熱血指導」を売り物にしていたと聞いています。あるいは体罰というより虐待によって事故死者を出したスポーツスクールも、「熱血指導」が売り物でした。両者は容易に転換する、というより、体罰行為の表面を取り繕った言い方が「熱血指導」の美名ではないのでしょうか。
　産経「主張」に、教育問題に口出しする権利はありません。