黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の発送電観。

【主張】電力市場改革 安定供給の確保が先決だ+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130210/plc13021003170003-n1.htm

 いつも規制緩和、自由市場万歳を唱えている産経が、電力市場の自由化、ことに発送電の分離にだけは猛反対です。教育にまで市場主義自由競争を持ち込もうとし、競争社会実現のためなら敗者が餓死しても無視するといういつもの産経らしくありません。「電力不足解消が先」といいますが、電力は夏冬のピーク時でも不足しませんでした。
 実は、発送電分離で敗退するのは、原子力発電です。この一点に着目すれば、産経の姿勢の不自然さがすべて理解できます。コストが安いとされてきた原子力ですが、今後は廃炉費用を真剣に算入せねばならないのは当然です。そうなると原子力は現在の火力や水力ではなく、太陽光や風力とコスト競争をしなければなりません。発送電分離の前提とされる送電自由競争のもとでは、あきらかに不利です。原子力利権はなくなり、産経がそのおこぼれに与ることもなくなってしまいます。いたって簡単な理屈というべきでしょう。ほんとに、わかりやすい「主張」で困ります。