産経「主張」の再生観。

【主張】日本経済再生　脱デフレへ歩み確かに　規制改革で民間に勢いつけよ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130103/plc13010303100004-n1.htm

　「主張」としては新年第一号になります。経済再生とのことですが、その唱える道筋は一方的で、ちっとも明確ではありません。金融緩和さえすればデフレを脱却できるなら、とっくに成し遂げられていたことでしょう。安倍晋三政権が真のデフレ脱却をできるなら、その点については評価してもいいのですが、どうも期待できそうにありません。少なくとも、この産経「主張」の道筋ではそうなります。末端に資金を回す、つまり所得向上策を図るのならわかりますが、それどころか、規制緩和で企業に甘い汁を吸わせることしか考えていないようなのです。最低賃金引き上げや非正規雇用の解消というあらたな規制が必要だという認識はなさそうです。所得向上による内需拡大のかわりに貿易立国の復活という目標も掲げていますが、それが容易にできるのなら現在の経済がこんなことにはなっていません。とにかく消費者から目をそらし、企業特に大企業の都合だけでものごとが運べば、経済全体はどうなってもいいという姿勢があきらかで、その積み重ねが現状を招いたという反省ももちろんなりません。