黙然日記(廃墟)

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産経の新内閣観。

【主張】第2次安倍内閣 「強い国」へ使命果たせ スピードと成果こそが勝負だ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121227/plc12122703100004-n1.htm

 いよいよ、第二次安倍晋三内閣が発足してしまいました。痛恨の極みというか、なぜこんなことになったのかいまだに釈然としないものがあるのですが、我が世の春を謳歌する産経新聞の様子を見てみましょう。
 《先の衆院選で示されたように、国家の再生が多くの国民の願いであり、希望である》。衆院選の結果からそんなことを読みとるのは、自民政権に願いと希望をかける産経だけです。個別政策では、まずデフレ脱却ですが、これについてはお手並み拝見といきましょう。いくら血圧を上げても、末端の血流がよくならなければ経済の冷え性であるデフレの脱却はできないことをお忘れなく。外交面では「日米同盟立て直し」を強調していますが、沖縄の地元意志というものがあるかぎり、状況は民主党連立政権時代とそんなに変わりません。これもお手並み拝見というか、強制を伴うことなくできるものならやってみろ、というところです。ろくでもないことを産経は考えていそうですが。防衛費増強については、なにを寝言をほざいているのかといったところです。
 憲法改正のところで、まず、《自民党政権公約》という言葉が出てくるのですが、実は今回の選挙で、自民党は「政権公約」を掲げてはいません。「政策集」を発表しただけです。守らなくてもたいした問題ではない、という位置づけです。ひどい話もあったものですが、自民党の公約なんてそんなものだということは国民の多くが長年の経験で知っていることと思います。《憲法改正がなぜ必要かを国民にわかってもらうことが大切だ》と産経「主張」は述べていますが、なぜ96条改憲を先行させねばならないのか、合理的な説明はできるのでしょうか。
 内閣官房参与に官僚OBを起用したことを、民主党政権の「政治主導」の失敗と絡めて評価していますが、官僚を使いこなすか官僚言いなりになるかはまったく違います。自民党はあいかわらず言いなりになる気満々のようですね。

【第2次安倍内閣】再挑戦に秘めた闘志 野に下り、見えた「優しい国」+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121227/plc12122708150009-n1.htm

 まるで、スポーツ新聞のヒーローストーリーです。もちろんこんな記事を書けるのは、産経新聞安倍信者多しといえど、阿比留瑠比記者しかいません。
 《「日本中から『お前はダメだ』という烙印(らくいん)を押され、地獄を見てきた」》という述懐から始まりますが、客観的にダメだったんだからしかたないでしょう。今回、安倍氏に高揚感があまり見られず、自分を抑えているらしいのは確かです。たとえ演技でもそういうことができるようになったのは、成長と見るべきか、以前があまりに幼稚すぎたと見るべきでしょうか。雌伏期間中に市井の声を拾ってきたわりには、デフレ脱却の道筋が依然と変わらない上から目線に過ぎませんか。本当に地元回りと経済関係の勉強会を繰り返してきたのだとしても、学習能力がないのはどうしようもありません。「再チャレンジできる優しい国」を掲げても(実際にはそんなフレーズは出てきていないのですが)、あの上から目線だけはどうしようもないのではないでしょうか。

幼児教育無償化は「不可欠」 少子化相 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121227/trd12122715310012-n1.htm

 産経とは関係ないのですが、森雅子少子化相のこの発言には目がまん丸になります。もちろん結果としては望ましい政策なのですが、あれだけ口を極めて高校無償化を罵っておいて、なんでしょうかこれは。そのくせ幼保一元化などには強硬な反対を続けるのですから、幼稚園関連の自公に対するロビー活動がどれだけ強力で、そこにどれだけの利権が発生するのかと思うと、慄然とします。