黙然日記(廃墟)

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産経抄のトラウマ。他。

産経抄】10月20日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121020/plc12102003040004-n1.htm

 橋下徹大阪市長の出自を攻撃するような週刊朝日の記事は、許さざるべきものです。朝日側がすぐに謝罪したのは当然でしょう。しかし、産経がそれに乗っかる縁も根拠もありません。「新聞社が謝罪する」ということについて、産経はなにかトラウマでもあるのでしょうか。また、朝日の謝罪は橋下氏の出自に関する部分で、親族に関するものではありません。それをあたかも親族に関する記述について謝罪したかのようにすり替え*1暴力団がらみで田中慶秋法相への攻撃、さらに民主党政権そのものへの攻撃に移ります。このへんの論理のアクロバットはいつものとおりで、べつになにかトラウマがあるというわけでもないでしょう。あるとしたら3年前の「下野なう」発言からでしょうか。そういえばあのときは、ネット上の発言ゆえに即時の謝罪をしなければならなくて、謝罪嫌いの産経新聞社としてはそうとう悔しい思いをしたものと思われます。いまだに尾を引いているんですかね。

【くにのあとさき】東京特派員・湯浅博 尖閣に蘇峰のリアリズム - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121020/plc12102003030003-n1.htm

 文中でも拓殖大学の澤田次郎教授の意見が引用されていますが、「日本は海洋国家として英米と同盟し、大陸国家ロシア・中国を封じ込めるべし」というのは、拓大一派の総意なのでしょうか。渡辺利夫拓大総長はじめ、何度も聞いた覚えがあります。湯浅記者はあいかわらず言ってることが右往左往していて、徳富蘇峰とか引用して読みとりづらくなっていますが、要するに言いたいことはそのへんらしいです。澤田氏の発言として、蘇峰が生きていたら、とかたわけた仮定のもとに(べつにそんなことしなくても、「リアルポリティクスの観点から」と書けば済むことです)、《(2)中国の海洋進出を自衛隊の抑止力で阻止》などとたわごとを抜かしております。勢力均衡の視点や日米同盟の重視はリアリズムですが、(2)だけいきなり妄想になっているので、蘇峰も泉下でさぞかし迷惑していることでしょう。まあ、湯浅記者なり拓大教授なりの、いつものパターンではありますが。

*1:週刊朝日の橋下氏の親族に関する記述も謝罪が必要ではないかと思うレベルですが。